捨てられる銀行4 消えた銀行員 地域金融変革運動体 (講談社現代新書) [Kindle]
- 講談社 (2020年9月16日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (334ページ)
感想・レビュー・書評
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2020年の夏頃、まだゼロゼロ融資真っ最中の頃、金融機関の人間から「最近若手が嬉しそうに仕事している。お客さんに融資して喜ばれていると言って」と聞いたのを思い出した。それまで、いかに不要なものを押し付けるような融資ばかりしていたということなのだろうか。
本書に記載されているのは、先進的な事例が多く、企業や地域の課題を解決していくことは今後の金融機関にますます求められていくことでしょう。
しかし、実際の現場では、企業の課題解決と称しながら、その実は自行のリスク債権を保全債権に付け替えるだけのものもあったりするので、その中身には注意が必要というのがまだまだ現実である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
捨てられる銀行シリーズ第4弾。地方経済活性化のため、地方金融機関のキーマンが変革に向けて仕掛けた事例を紹介した一冊。
著者の主張は強いが、豊富な取材に裏打ちされた事例紹介は金融を知らない私にとっては勉強になった。少なくとも地方金融機関のキーマンたちは、コンサルがプロジェクトで行うような企業のターンアラウンドを様々な形で支援していることを知ることができたこともプラス。 -
これからの地域金融を生き抜いていくための道標たらんとするいくつかの事例を中心に話題が展開していく。目新しいものを含めて興味深い内容となっている。特に信用金庫の活動には何か期待を寄せたいと思わせるものがある。
一方、こうしたミクロの動きが社会全体の富を増やして、日本社会全体を裕福にできるのかという点に関しては、残念ながらそのデザインが見えない。
興味深さと、されどより多くの富を生み出さなくてはならない、ここのところをどのように繋ぐのかということを、自分も含めて多くの人が知りたいのである。
もちろん金融機関だけがこの問題を解決するわけではないが、金融のところからあるべき経済のあり方を論じるのであれば、もう一歩も二歩も踏み込んだ議論が欲しかった。少々物足りない。 -
銀行員への安全的領域(副業解禁などによる銀行業以外のテリトリー)の拡充、「知の集合体」の2テーマ