〈脳と文明〉の暗号 言語と音楽、驚異の起源 (ハヤカワ文庫NF) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「言語は自然界の音、音楽は人間の動く音を模倣している」正しいかどうかはともかく、本書の主張はこれだけ。ほぼ直感的にだが、似たようなことを考えている人は結構いるのではないだろうか。360ページの99%がその根拠を説明するために使われる。この部分は相当退屈だし、あまり説得力も感じない。仮説から出発して、仮説を補強する材料だけを集めているからだ。20ページくらいの本だったら面白いと思ったかもしれない

  • 普段無意識的に、またはイヤホンで意識的にキャンセリングしている音を聞きたくなるような話だった。

    「ヒトの目、驚異の進化」の続篇に位置づけされる「耳」の本。本文中で何度か「目」の本について言及されるので、読むなら先に「目」を読むのがおすすめ。

    前半は言語に合わせて脳が進化したわけではなく、脳にもともと備わっている、自然界の音を聞き分ける機能を利用して言語が作られている、という説。
    自然界の音素は「ぶつかる」「すべる」「鳴る」の3つで、これらの順番には制限があり、言語の発音の傾向と一致しているのだという。
    説明に利用されている言語はもちろん英語なので英語話者より理解度が低い気しかしないが、英語以外の言語でも同様の特徴が見られるという。
    また、疑問文などで語尾が上がるのは、ドップラー効果で物体が聞き手の方へ向かっている際に音高が上がることで説明がつくという。

    後半は音楽の起源は「人間の動作音」であることを説明する内容で、こじつけでは?と思わないでもないが偶然にしては裏付けする情報が多すぎる感じがする。
    音楽を奏でる側の人が読むとより面白く感じるのではないかなと。
    また、バイリンガルニュースの#447で取り上げられていたBGM効果の話を思い出した。同じシーンでも音楽によって生じる感情が違う、という話だったと思うが、この本のロジックで説明しても納得がいく話になりそう。
    人間の脳には他人の動作音から感情を感じ取る機能があり、それを利用したのが音楽であるから、音楽による味付けで感情が変わるのはある意味当たり前、的な。

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著者プロフィール

カリフォルニア工科大学の特別研究員、レンセラー工科大学の准教授を経て、現在、2AI Labsの主任。邦訳書に『ひとの目、驚異の進化――4つの凄い視覚能力があるわけ』(インターシフト)がある。

「2013年 『<脳と文明>の暗号 言語・音楽・サルからヒトへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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