オリーヴ・キタリッジ、ふたたび [Kindle]

  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 晩年のオリーブ、老いの話だと知っていたので読むのが怖くてずーーっと積んでいたんだけど、やっと読んだ…。
    いや、ものすごくすばらしいのよ、翻訳もいいのだろうけどするすると読める。風景描写もすばらしいし、淡々とした日常を追っているようでいて、はっとするサプライズみたいなものがあって刺激がある。(それもわたしはすごく怖いんだけど。いい話、みたいに思って読んでいるとざばあっと切られるような。怖い)。
    感情の描写もありきたりじゃないし、とにかくどんどん読んじゃう、おもしろい。
    だけど、そもそもわたしは老いとか死の話が本当に苦手なので、やっぱり読んでてとんでもなく気が沈んだ。だれもが、人生いいこともあるし悪いこともあるけど、結局、最後は老いて病気になってひとりになって死んでいくっていうことを正面切ってリアルに突きつけられたという感じで。まわりの高齢の人たちはこんなふうに自信を失い弱気になって怯えているのかもとかも思って、なんだか高齢の人を見るたびに悲しく思うような。
    まあそういうことを受け入れられないのはわたしの個人的な問題なだけなんだけど。

    でも、ポジティブな心でに読めば、どんなに年とっても、愛はあるし、友達はできるし、心の交流みたいなものはあるし、って思うことはできるかな…。

  • ストラウトはこのシリーズを通じて、彼女だけではなくコミュニティ、街そのものを緻密に創造し、紹介してくれた。そうしてまたオリーヴ・キタリッジに会えた。なんと老齢になり、「強い」キャラクターは変わらないものの、フィジカルな意味で転んで立ち上がれなくなり、死を意識することになる。読者として”一生を通じて付き合った”わけで、そりゃあ自分も歳をとるわけだな、としみじみしてしまう。読み始めたときはオリーヴの個性に戸惑ったが、「嫌な人」「いい人」などと簡単に言えない、息遣いのあるリアルな人格として立ち上がり、最後まで楽しんだ。
    フランシス・マクドーマンドによるドラマ化がすごくはまり役で、ドラマを見てからは本書を読んでもマクドーマンドで脳内再生される。彼女が歳を重ねたらまたこのオリーヴを演じて欲しい。

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