チームワーキング ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくり方 [Kindle]

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  • 日本能率協会マネジメントセンター
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感想・レビュー・書評

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  • 「日本の企業の現場で起こっている危機の1つが「チームの機能不全」である」と危機感を募らせる著者(=リーダーシップ論の研究者)が提唱する、「チームワーキング」のススメ。

    「チームワーキング」は、著者の作った造語。「一人ひとりがリーダーとして、変化するチームの全体像を捉えながら前進させていく、ダイナミックなチームワークのあり様を、「Team+Working」ということで「チームワーキング(Teamworking)」と名づけ」たという。

    著者によれば、成果の出るチームは、「 1)チームメンバー全員が動き、 2)チームの状況を俯瞰する視点を持って、 3)共通の目標に向かってなすべき事をなしながら、お互いの仕事に対し相互にフィードバックをし続けている」のだという。これは当然のことで、違和感は全くない(まあ、自ら実践できているかどうかは別として)。

    著者は、「チームワーキング」に必要な「チームを見つめる 3つの視点」として「
    ①「チーム視点」:チームの全体像を常に捉える視点
    ②「全員リーダー視点」:自らもリーダーたるべく当事者意識を持ってチームの活動に貢献する視点
    ③「動的視点」:チームを「動き続けるもの、変わり続けるもの」として捉える視点」
    を挙げ、また、チームワーキングを生み出す3つの行動原理「
    1.Goal Holding(ゴール・ホールディング):目標を握り続ける
    2.Task Working(タスク・ワーキング):動きながら課題を探し続ける
    3.Feedbacking(フィードバッキング):相互にフィードバックし続ける」
    を挙げているが、これらも言われてみればごく当たり前のことで、特に新たな気付きはなかった。

    ただ本書、これらの当たり前のことを客観的な研究成果から説得力を持って丁寧に訴えているところがミソ。

    コロナ禍でテレワークが浸透し、ともすると人と人との絆が薄れがちな昨今、職場のチームワークについて見つめ直すい良いきっかけになる書だと思う。社内研修などで活用していくとよいのでは。

    なお本書には、社会的手抜き(「集団で共同作業をするときに、個人作業をするときよりも、仕事をサボりがちになり、生産性が低下する現象」)の主な要因も紹介されている。「①評価可能性 チームに対する一人ひとりの貢献が適切に評価されない ②努力の不要性 たとえ自分が努力してもチームの成果に影響を与えない ③手抜きの同調 他メンバーも手抜きをしているので自分も手抜きして問題ない ④緊張感の低下 チームにいると当事者意識が薄れ、緩んでしまう」の4つとのこと。これは結構参考になるな。

    • akodamさん
      norisukeさん、おはようございます。
      本レビューを拝読、労働者の思考がそちら側に向けば正に【理想】ですね。

      しかしながら、レビュー末...
      norisukeさん、おはようございます。
      本レビューを拝読、労働者の思考がそちら側に向けば正に【理想】ですね。

      しかしながら、レビュー末尾にあった【現実】は弊社にも起きており【理想】とのギャップが課題です。どこの企業も同じ課題を抱えてらっしゃると思いますが。

      特に①は働き甲斐にも労働対価にも関わってくるので、評価制度の在り方を企業は最優先に取り組むべきだと感じております。

      朝から長文失礼いたしました。
      2022/05/30
    • norisukeさん
      akodamさん、コメントありがとうございます。また、小職の拙いレビューにたくさんいいねいただき、感謝です。

      「社会的手抜き」、自分自...
      akodamさん、コメントありがとうございます。また、小職の拙いレビューにたくさんいいねいただき、感謝です。

      「社会的手抜き」、自分自身にサボりぐせがあるので自戒を込めて摘記しました。評価制度、かなり形骸化している気がします。もっともっと柔軟で、かつ血の通った仕組みにできると良いのでしょうが…。
      2022/05/30
  • 6章を見れば大枠がわかる。
    これまで多くの日本企業では、長い時間同じ職場にいれば、いつの間にかチームワークは生まれるものだと思われており、チームワークは教えられてこなかった。
    変化する状況に対応しつつスピーディーにチームを作り課題設定と解決をしていく必要があり、チームワークは全ての人が学ぶべきである。
    シェアド・リーダーシップという考え方がある。これは全員リーダー視点というコンセプトで、場面や課題ごとにリーダーが変わることを指す。
    経団連の会長が、もう終身雇用を守れないと発言するなど日本型雇用は限界。個々で信頼を勝ち取らなければならない信頼社会へと急速に移行する。
    シェアド・リーダーシップというのはチームにおいて必要な考えと思ったし、上層部がこれを知らなければいけないと思った。

  • チーム運営の問題点が分かりやすく記載されており、とても参考になった。

  • audiobook
     チームで成果を出すためのノウハウ本。立教大学の経営学部に集まる実際の日本企業の数多くの事例に基づいてとりまとめされている。うまくいかないチームのケースも複数パターン用意されており、具体イメージで理解を深めやすい。
     以下、備忘録。
    ■成果の出るチーム
    ①チームメンバー全員が動く
    ②チームの状況を俯瞰する視点を持つ
    ③共通の目標に向かって為すべきことを為しながら、お互いの仕事に対し相互にフィードバックし続ける
    ■成果の出ないチーム
    ①1人のリーダーだけがチーム全体のことを考える
    ②リーダーが中心となってチームの目標と各自の役割を設定する
    ③それ以外のメンバーはお互いの役割や仕事の状況に関心を示さず、自分に与えられた役割を黙々とこなす
    ■必要な3つの視点
    ①チーム視点: チームの全体像を常に捉える視点
    ②全員リーダー(シェアードリーダーシップ)視点: 自らもリーダーたるべく当事者意識をもってチームの活動に貢献する視点
    ③動的視点: チームを「動き続けるもの、変わり続けるもの」として捉える視点
    ■必要な3つの行動原理
    ①Goal Holding: 目標を握り続ける
    ②Task Working: 動きながら「課題」を探し続ける
    ③Feedbacking: 相互にフィードバックし続ける

  • チームが目的達成のために最大の力を発揮するために必要なことがよくわかる。
    チームの(特に新任の)マネジャーには、読んでもらいたい。

    現実では、チームワーキングの初歩である「ゴールホールディング(目標を握り続ける)」のさらに前、目標設定すらしていないチームが非常に多い。

    著者は、完璧な目標である必要はない、一度設定した目標をチームみんなでどんどん上書きしたら良い、と説く。その通りだと思う。
    「上からの目標が降りてきていません」と言いながら目標設定をせず、日々漫然と仕事をこなすだけよチームは無数に存在する。

    本書の内容はけして目新しいことではないが、マネジャーだけでなく、チームに関わる全員に向けて書かれているのがおもしろい。
    本来はマネジャーが理解し、メンバーに伝達しながら育成する内容なのだろう。
    その意味では、本書をメンバーと共有し、チームのグラウンドルールを策定するのもいいと思う。

  • 理想論だなと感じた。
    チームでやることによる当事者意識の薄れはある話だなと感じた。打ち合わせ中の反応などにて。

  • チームで活動する場面で困ったら読む本。チーム運営の基本が、企業人・社会人への調査などに基づいてまとめられています。

  • いろいろ目から鱗だけれども納得!という感じ。

    しっかり目標設定をして、それに向かって進む!というのはVUCAの時代にそぐわない。
    SMARTな目標って、私もいつも意識していたのですが、そもそも最初にSpecificでMeasurableな目標をたてられるのか?世の中どんどん変わっていくのに・・・

    これからの目標はIMPACT(inspiring, memorable, praiseworthy, achievement, contribution, timely)とのこと。

    Teamworkingの行動原理は、Goal Holding, Task Working, Feedbackingと、全て現在進行形!

  • 開講式(オリエンテーション)で少しご紹介した本。
    チームワーキングには3つの視点(チーム視点、全員リーダー視点、動的視点)と、3つの行動原則(ゴールホールディング:目標を握り続ける、タスクワーキング:動きながら課題を探し続ける、フィードバッキング:相互にフィードバックし続ける)が大切です。
    これは会社組織の中だけではなく、どんなチーム活動にも当てはまりそうですよね。日本のチームをアップデートしましょう!

  • はじめての管理職を経験する上での、基本的なマネージメントのOSをインプットした感じだ。

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著者プロフィール

立教大学経営学部教授

「2021年 『中小企業の人材開発』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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