精神科医が見つけた 3つの幸福 [Kindle]

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  • 飛鳥新社
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感想・レビュー・書評

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  • 聴読。

    「幸せ」は脳内物質で決まる!
    その脳内物質とは、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンだそうだ。

    そして本書のタイトルは「精神科医が見つけた3つの幸福」である。著者は、この3つの幸福を次のように命名した。
    ・セロトニン的幸福
    ・オキシトシン的幸福
    ・ドーパミン的幸福

    「セロトニン的幸福」は、心身ともの健康を感じ取ることで得られる幸福感だそうである。

    「オキシトシン的幸福」とは、人とのつながり(例えば家族とか、友達とか)を通じて得られる幸福感だそうだ。

    そして、「ドーパミン的幸福」とは、目標を達成したとき、何ものかを成し遂げたときに得られる幸福感だそうだ。

    この3つのうち、最も根幹となるのが「セロトニン的幸福」であって、これなくして「オキシトシン的幸福」や「ドーパミン的幸福」を得ることができないという。つまりは、身心の健康こそが、我々の幸福を考えるうえでの大前提であると言うことができる。

    例えば、ぐっすり眠ることができ、快適な目覚め、窓の外の青空を見て「今日も爽やかな朝だな~」と思えば、セロトニンが出ている。

    そして次に、「よし朝イチ、昨日読んだ本のレビューをブクログにアップしよう」と考え、目的通りアップを完了する。アップが完了した時点でドーパミンが脳内に出てくるのだろう。達成感という幸福感がある。

    あるいは、「こんな天気の良い日には、近くの公園で朝散歩に出かけよう」と考え、朝の新鮮な空気、樹木のにおいを感じながら、自然とふれあう。ウォーキングする近隣の方と出会い、爽やかに挨拶を交わす。

    健康的な幸福感から、セロトニンがどんどん出てくるだけでなく、人や自然とのふれあいでオキシトシンも瞬間瞬間に出てくる。今日も散歩で体を健康にできたと思えば、ドーパミン的幸福感も得ることができる。そんなイメージである。

    日々を振り返ってみて、自身が幸福に感じる瞬間というのは、確かに言われるとおりだと納得できる。「幸福ってなんだ」と漠然と感じていることを、樺沢先生は精神科医の切り口から、いつもわかりやすく、しかも実践的に説明してくれる。

    幸福は身近に存在するということがわかるが、反面、そういう何気ない日々の出来事の中で、ただ時間を過ごしているだけでは脳内物質は分泌されず、自らそれを「幸福だな~」と感じていく積極性が必要だなと気づかされる。

    例えば、そういう積極的感性を磨くためのトレーニング方法として、「ポジティブ日記」「感謝日記」「親切日記」を勧めている。その日良かったなと思ったことを寝る前に書く、あるいはその日に「ありがとう」と思ったことを綴る。自分が積極的に親切にしたことを3つ思い出して綴ってみる、というようなことだ。

    これまでも日記をつける習慣はあったが、本書を読んで、これらの要素を意識的に記することにしてみた。この行為自体が、先の3つの脳内物質の分泌促進につながるのが実感できる。

    本書の中で、メンタル疾患の人の特徴に触れられている部分があった。過去に対しては、常に後悔の念でいっぱい。そして未来に対しては、不安でいっぱい。現在が後悔の過去と不安の未来に埋め尽くされて、現在がない。

    根幹的なセロトニンの分泌がなく、オキシトシンもドーパミンの分泌にもつながらない。人とふれあう気持ちが起こらないし、何かをやろうという気持ちも起こらない。

    そこに現在を作っていこうと励まされる。現在の小さな瞬間瞬間に意識的に幸福を感じていこうと。その瞬間、一日、一週間、一か月と伸ばしていくことができれば、「今日は楽しかった」「今週は良かった」「今月も幸せだった」と感じていけるようになるというアドバイスだ


    当人にとっては、現実的には難しいハードルなのかもしれないが、日記の手法などで改善が期待できるように思えた。

    考えてみるに、どんな人であれ、日々の生活の中で必ず悩みにぶち当たることがあり、後悔や不安にさいなまれることもある。万人にとって、この考え方はスランプからの脱出などに非常に効果的ではないかと思った。

    最初から最後まで全く飽きることのない示唆に富んだ良書であると思う。

  • 「幸せになるための方法」を脳科学的視点から考察した本で、とても納得できてスッと入ってきました。
    幸せな状態とは、「幸せ物質が脳から出ている状態」と定義し、その方法について具体的に書かれておりとても参考になりました!

  • 人の幸せ、生きる意味みたいなよくある自己啓発本なのかと思いましたがさすがお医者さん、医学的な観点からわかりやすく幸福とは何かを教えてもらいました。三つの要素があること、段階的に達成しないといけないこと。ここがわかっただけでもこの本は読んでよしだと思います。あと私がこの本でいいなと思ったのが気づきの部分で気づきもトレーニングでできるようになること。それが幸せ収集能力になること。このフレーズも好きです、孤独は孤毒!生涯現役は考えただけでちょっと気持ち悪いですが何か自分が没頭できるもの見つけていきたいと思います。まずはできることとして感謝を一日一つしたいと思います。携帯のスケジュールに1日が終わる時、一つ感謝メモ残していきたいと思います。アウトプットの本も楽しかったし、この本も楽しかったのでこの作者の本もっと読みたいと思いました、紹介してくれたKさんに感謝、感激、下田景樹です

  • 幸せとは?という問いに、自分なりに何となく思っていたことをこの本では言葉にして科学的に、論理的に説明されていてすごく腑に落ちた。
    健康という土台があり、その上に人とのつながり、そしてやっと成功のためにチャレンジできるという順序は正にそうだなと思う。
    「今」を楽しく幸せにすることを考えれば、その積み重ねが幸せな人生につながるというのも良い考えだなと思った。
    ただ、この本のなかで難しそうだなと思うのは日記をつけることと酒をセーブすること。多分日記は無理だと思うけど頑張って酒はセーブしたいなと思う。

  • 幸福になるためには三つの脳内物質とそのバランスが大事だという話。

    幸せであるためには健康が基本。「体調が良い」「青空が綺麗」「自然」そんな所に身を置き感じることで出るセロトニン。

    他者との交流や触れ合う事で発生するオキシトシン。

    成功やお金を得る事で出るドーパミン。

    小さいとき、親から五体満足で生まれて来ただけでも喜べと言われた事が蘇りましたが、今はまだ年齢的にもあって当たり前である健康が基本中の基本。
    蔑ろにしてはいけない所だと思います。

    また、ドーパミン中毒は何となくわかる部分があって、YouTubeの動画など昔は何となく見て面白いながどんどん刺激があるものを求めている部分は確かにあるなと思いました。

    今この瞬間の幸福が大事という所は一番印象的でした。未来の幸福のために今不幸であれば将来がバラ色と決まっているわけでもないし...

    3行日記も書かずとも寝る前に整理してみる事もできるし、朝の体調チェックも簡単なのでやってみたいと思いました。

    久しぶりに嫌われる勇気が読みたくなりましたね!

  • 3つの幸せ。
    幸せの形を3つの段階に分けてわかりやすく説明してくれています。まずは自分を大切にして、周囲との関わりで心を落ち着けていくことが大事なんだなと。その上でモチベーションを持って行動すること。幸せの形はそれぞれ、この順番は大切にしていこう。

  •  幸せになりたいと思いながらも、具体的に何をすべきかわからないまま日々を過ごしてきました。この本には幸せになるために何をすれば良いのかが具体的に記されていて、とても参考になりました。
     私は、この本でいう「ドーパミン的幸福」の「成功や達成」に幸せがあると思いながら仕事や趣味に打ち込んできました。
    「幸せの三段重理論」を学んで、「順番」があるということ、そして三段重の1番下の基礎となる「健康」という点に気付かされた事は、本当に良かったです。
     振り返れば、「健康」のために何もしておらず、幸せとは程遠い生活をしていたことに、驚きと落胆を感じざるを得ませんでした。
     今回の学びを活かし、心と体の健康を意識して人生をより豊かにしていきたいと思いました。
    みんなとの出会いや、仕事や趣味も、引き続き大切にしていきます!
     
    しかし、「健康第一」とは良く言ったもんだ…。

  • 「幸せ」というざっくりとした概念について、
    3つの区分がある、そして、それを得る順番がある、ことを学べたのは大きかった。

    そして、それぞれの特徴があり、最もわかりやすいドーパミン的幸せはすぐに無くなってしまうこと。
    でも世の中の殆どの人は、ドーパミンこそが幸せだと思い、この種の幸せばかりを求めていると思う。

    そうではなく、健康=セロトニン、つながり=オキシトシンの土台がなければ、その上にドーパミンが乗っからないことを知れば、より人生は豊かになると思う。

    仲間とこの様な知識を共有することで、つねに幸せの区分を意識することができ、その共有こそがオキシトシンを高めることにもなり、
    また人生がひとつ豊かになった。

    このような仲間に恵まれて本当に幸せだと思う!!
    皆さん、付き合ってくれてありがとうございます!!

    ↓メモ
    日本人の幸福度は、世界第62位。主要先進国では最低です。

    ドーパミン、セロトニン、オキシトシンが十分に分泌されている状態で、私たちは「幸福」を感じる。つまり、脳内で幸福物質が出た状態が幸せであり、幸福物質を出す条件というのが「幸せになる方法」であると言えます。

    ★セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福を盤石にしてから、ドーパミン的幸福を求める

    繰り返します。セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福は逓減しない(しづらい)。ドーパミン的幸福は逓減する。

    幸せのベースは、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福でしっかりと築く必要があるのです。ドーパミン的幸福は、あくまでも「プラスアルファ」の付加的な幸福と考える。

    幸福感に与える影響力は高い順から、「健康」「人間関係」「自己決定」「所得」「学歴」となりました。

    セロトニンを分泌させることです。そのための方法は3つ。「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼」です。

    外に出たときに青空を見上げて「今日も青空で、実に気持ちいい!」と気付くことができれば、それでセロトニン的幸福に包まれるのです。

    「今日は青空だな!清々しいなあ!気持ちがいいな!」「空気がおいしいな、爽やかな空気が鼻から入ってきて、肺に充満している。すごく健康的な感じがするなあ」

    アウトプットは、「書く」「話す」「行動する」です。「書く」暇がなければ、「話す」だけでもOKです。私は毎日外に出るたびに、「今日は青空で気持ちいい」「なんて清々しいんだ」と言葉に出して言います。まあ、「独り言」ですね

    そのまま布団に入って、ポジティブな出来事をリアルにイメージしながら眠ることが重要です。

    ★多くの人は、寝る前に「今日あったつらかったこと」や「不安なこと」をつい思い出しながら寝ます。すると、「失敗した自分」「ダメな自分」が記憶に残る。自己肯定感がドンドン下がり、本当に「ダメな自分」ができあがります。

    人と「つながる」には、労力が必要です。誰にも連絡せず、誰とも会わなければ、人間関係は疎遠になり、次第に「孤独」になっていく。つまり、「つながり」を意識して生活する、自分から積極的に人間関係を構築する、自分から人とつながり関係性を深めていく、といった努力が、絶対に必要です。

    重要度を数字で表すと「家族5、友人3、職場2」の割合です。つまり、「5対3対2」。職場の人間関係は、あなたの人間関係のリソースのうち「2割」を使えばいいのです。

    ペットを飼う。犬や猫を抱っこしたり、なでなでしたりすると、飼い主とペット双方にオキシトシンが分泌されます。

    実は、植物を育ててもオキシトシンが出るのです。

    愛、愛情に関する脳内物質は、ドーパミンとオキシトシンです。つまり、「ドーパミン的愛情」と「オキシトシン的愛情」の2つの愛情があるのです。「ドーパミン的愛情」は、熱愛、情熱的な愛。高揚感、興奮、ドキドキ感がある。「もっと会いたい」「もっと愛してほしい」と、相手に「もっと」を求める。いわば、「求める愛」です。一方、「オキシトシン的愛情」は、友愛、慈愛といった愛情で、リラックス、安らぎ、安心感、信頼感をもたらしてくれます。一緒にいるだけで十分という満足感、満たされる愛です。

    夫婦関係で重要なのは、「感謝」の気持ちです。

    自分の夫(妻)に、1日3回「ありがとう」を言う。

    年収800万円でお金の幸福は逓減するという研究はすでに紹介しました。

    ★ドーパミン的幸福は劣化しやすい。では、ドーパミン的幸福を劣化させずに、細く、長く楽しむにはどうしたらいいのか?
    「制限する」ことで、「楽しい」を感じとる能力が復活し、幸福度、満足度がアップ

    「1日2缶まで」のルールを守ると、「2缶しか飲めない」ので、一口一口をしっかりと味わって、お酒をより楽しめるようになります。「缶ビール1缶」から得られる「喜び」や「満足度」は、制限することで大きく増すのです。

    今のあなたの実力と比べて、ちょっとだけ難しい課題。私はそれを「ちょい難」と呼びます。ちょっとだけ難しいけども、必死に頑張ればなんとかクリアできるのが「ちょい難」。

    自分で立てた目標にチャレンジするだけで、「やってみよう!」と思って行動するだけで、結果の如何を問わず、ドーパミンは分泌され、幸せになれるのです。

    自分が本当に欲しい物を買っていない、ということが多いのです。「他人の価値観」「流行」「みんなが持っている」のは、あなたの「本心」とは何の関係もない。「心から本当に欲しい物」が手に入れば、それには満足もするし、幸せにもなります。

    お金は、持っているだけでは価値を生みません。お金を「物」や「経験」に変えることで、いますぐドーパミン的幸福、オキシトシン的幸福、セロトニン的幸福に転換することができます。

    心理学者のアルフレッド・アドラーは、「他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになる」

    「承認欲求」はいいのか?悪いか?私は、「承認欲求」がいいか、悪いかではなく、暴走する「承認欲求」が「悪」であり、コントロールされた「承認欲求」は私たちを幸せにする、と考えます。

    日本人は、勤勉すぎるのです。「勤勉」な人は、「遊ぶ」ことに罪悪感を持っている。みんなが働いているのに、「自分だけ遊んで申し訳ない」と思ってしまう。

    1日で幸福の収支を合わせる」ことを提案します。つまり、昼にバリバリ働いて、夜はおもいっきり遊ぶ。

    「楽しい」ことはたくさんあるはずなのに、どうして「楽しい」ことが出てこないのでしょう?それは「楽しい」アンテナが立っていないからです。「

    「プチ幸福」の回数を増やすだけでいい

    「食」に無頓着な人が多いのは残念です。おそらくは、「幸せ発見能力」が低いのでしょう。私たちの周りに「幸せ」は間違いなくある。しかし、それは探さないと見つからないのです。

    「新しいお店に行ってみる」という行動は、紛れもなく「コンフォートゾーンを出る」つまり「挑戦する」という行為です。

    対処不能のストレスを減らす方法があります。それは、「運動」です。
    有酸素運動を習慣にしている人は、ストレスがかかってもコルチゾールが出にくくなります。すなわち、ストレス耐性が高まるということ。

  • ポジティブを集める能力を高めるための
    3行ポジティブ日記は具体的なワークとして良いです。

    ・寝る前15分以内、できれば寝る直前
    ・今日あった楽しい出来事を3つ書く

    私も実施中。
    これだけですが日々の気持ちが安定しやすいです。

    あとは、まあそれなり。ツラツラ書いているだけです。

  • 《幸せでいることを決める》  

    私の具体的な「幸せの三段重」

    土台となる一番大切な「セロトニン的幸福」
    そのために行っているのが「朝散歩」
    日差しを浴びながら15~30分間リズミカルに歩くだけ。
    「気持ちいいっ!」と感じる、そしてよく眠れる。とても健康的である。
    一番コストがかからない幸せの感じ方です。

    心穏やかに生きるための「オキシトシン的幸福」
    我が家のコザクラインコを見て、触って、嗅いで(笑)過ごす時は、笑顔になり顔の筋肉がほぐれ、心が温かく、軽くなるとても大事な時間です。この触れ合いが、人と接して疲れた心をリセットしてくれているのです。リセットしてくれているのがオキシトシンなのだなと感じます。

    そして毒にも薬にもなる「ドーパミン的幸福」
    扱いを誤ると「欲」や「依存」になるが、私は「成長」に使う。
    そのために勉強し、その成果を「資格取得」で表している。
    数か月の勉強、受験、そして合格発表。成長のためのドーパミンを有効に利用できている。

    幸せ=ドーパミン的幸福と「思い込んでいる」人が、世の中の多くを占めていると感じる、だから生きづらい。
    最も基本的な幸福はセロトニン的幸福で心身共に健康に過ごすことだ。
    次には繋がることで心を温かくするオキシトシン幸福だ。
    ドーパミン的幸福は、「別に無くても良いよ」くらいで丁度良いのではないか。

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著者プロフィール

1965年、札幌市生まれ。累計56万ヒット突破の人気Webサイト「札幌激辛カレー批評」(http://www.kabasawa.jp/)主宰者。2003年7月に著書『とっておき北海道 カレー50』
(アドネット刊)を刊行するなど、スープカレーをメインにカレー店の動向を精力的に追い
続けている。また、スター・ウォーズ研究家としても知られ、スター・ウォーズ研究のWeb
サイト「ホス・プレス」を運営。著書に「スター・ウォーズ新三部作完全解読本」(三一書房)、
「スター・ウォーズ完全基礎講座エピソードⅠ篇」(扶桑社、共著)などがある。

「2004年 『北海道スープカレー読本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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