未来は決まっており、自分の意志など存在しない。~心理学的決定論~ (光文社新書) [Kindle]
- 光文社 (2021年3月26日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (326ページ)
感想・レビュー・書評
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全ての出来事は予め決まっているという決定論。この感想を書くことも決まっていたのか。。どうしようもないことは決定論で解釈し、心躍ることは自由意志であると都合良く自分は解釈したい。
決定論というトンデモ論だが多岐にわたる分野から論理を組み立てていて、その熱量もそうだが自分も何か論をこの世に打ち立てたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
意識的に過激な本。脳科学や心理学の結果から常識をひっくり返す。
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p.2021/8/18
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著者は一応アカデミックな心理学研究者だけど,自分で「トンデモ本」と言っている。
そもそも,著者の言う「心理学的決定論」が,自由意志(=顕在意識)に先立って思考や行動が決まっているという話なら,トンデモでもなければ,そもそも決定論ではないのでは?顕在意識で把握される前に情報処理が進んでいて,脳神経も動いているからといって,神学的決定論を帰結するのはよく分からない。
「人間は環境との相互作用によって,刺激に対して全自動的に行動を紡ぎ出されているような存在である。」ってのは,ハラリっぽい今風の唯物論的人間観だけど,それはあまりにも浅薄だと思われる。
「意識とは情報であり,生命とはその情報を増やすために配置された「なにがしか」(存在)である。」として,そこには別に絶望も希望もないように思うのだが。 -
この手の話が大好きなのでいつか再読したい.とてもおもしろかった.
著者の主張には賛成で自由意志はないと思っているので,基本的には頷きながら読めた.
ただし,途中から話が逸れてしまったというか,もっともっと全編で自由意志なんてないんだということを怒涛のように畳み掛けてほしかった印象.
過去の実験や学問を程よく参照していて説得力があるのだが,著者オリジナルの思考実験のようなものがあると良かったように思う. -
「あなたが本書を手にすることは、138億年前から決まっていた」と帯にある。心理学的決定論。説明するのは難しいけど、かなり面白かった。
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大真面目なトンデモ本。めちゃくちゃ面白い
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妹尾先生の本は色々読んでいるが、今回は先生の真骨頂である「心理学的決定論」についての著作となる。
全ての出来事、選択はあらかじめ決まっていると言うラプラス論的な説で、俄かには信じ難いが、それを心理学、脳科学、哲学、量子論、宗教の様々な角度から浮き彫りにして行く。
この説を信じるかどうかは別としても、様々な学説、心理実験、哲学者、芸術作品に話が及び、読んでいて何より楽しい。
難しく考えるより、一つの知の探究書として充実した読書時間を過ごせた。