- Amazon.co.jp ・電子書籍 (170ページ)
感想・レビュー・書評
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6、7年ほど前から、婚活パーティーの司会をしています。
会場は、自分の職場のあるまちで30年近く営業しているカフェ。
そこのママさんに頼まれたのがきっかけで始めました。
パーティーは多い年で年3、4回ほど。
自分も、それなりに時間と労力を費やしていますが、これだけは当初から完全にボランティアです。
なぜなら、さまざまな人間模様が見られ、自分にもプラスになるからです。
将来を共にするいいパートナーと巡り合いたい。
参加者の気持ちは切実です。
少しでも協力できれば―という思いもあります。
そんなわけで、本書を手に取りました。
57歳の男性ライターの婚活ルポ。
結婚相談所や婚活パーティー、婚活アプリを駆使して、結婚相手を見つけようと奮闘する日々を赤裸々に描いて読ませます。
いいなー、こういう体当たり的なの。
大好きです。
著者はバツイチで年収が不安定なフリーランス、容姿も並み以下といくつもの「ハンデ」を抱えています。
婚活現場では、年収や容姿に恵まれた男性を「優良物件」と呼ぶそうですが、優良とは程遠い。
何より57歳という年齢が、相当にネックのようです。
婚活アプリで知り合い、首尾よくデートにこぎ着けた41歳女性に著者がメッセージを送り続けたところ、
「連絡すんなって書いてあんの読めないのかよ。老眼鏡つけとけよ。てめーからLINEくるだけでゾッとして不眠になるわ。クソ老人!」
と罵倒されるメッセージが届いたといいます。
胸が痛くなりました。
ただ、出会いは意外と少なくないようで、時にデートしたり、それ以上の関係に発展するエピソードは、軽く嫉妬を覚えるほど。
もっとも、本書を著した時点で成婚には至っていないようです。
婚活は一筋縄ではいかないのだと実感しました。
結婚相談所、婚活パーティー、婚活アプリとツール別の対策も載っており、一読して参考になるとも思いました。
さて、自分は婚活パーティーの司会をしていると書きましたが、2019年11月の開催を最後に途絶えています。
言うまでもなく、新型コロナウイルスの影響。
本書にも「コロナ禍で追い詰められる婚活者たち」ということで1章が割かれています。
「会えない相手とアプリで延々会話」という描写が何とも切ないです。
コロナ禍で職を奪われ困窮する婚活女性のエピソードも出てきます。
著者とレストランで食事をして、帰り際に女性の吐いた
「えっ、帰る前に、わたくし、食べたいものがあります。最後にステーキを注文してはいけませんでしょうか? 牛肉の鉄分もいただきたいので」
の言葉は胸に迫るものがありました。
婚活者はもちろん、既婚者も一読に値する本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書店で目に止まり購入。タイトル通り凄かった。
実際に使っているからこそ出てくる生生しさは、あまり実態を知らない自分にとってはインパクトの強いものだった。奢られたことしかない人って、結構いるのかと。
また終盤のコロナ禍での婚活部分は、女性側の切迫感が別の意味でも強くなって来ているのが伝わってきて印象的だった。 -
参考にどうとかでなく、昨今の一つの潮流として界隈がどういう感じなのかって意味では面白かった。
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結婚に求めるものは多種多様と頭では理解しているけれど、婚活する女の方々の自我が剥き出しの様が生々しく、現実の婚活活動はすごいなぁと圧倒されました。
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57歳になる著者の赤裸々な婚活奮闘記。
マッチングアプリから始まり、結婚相談所、婚活パーティ、婚活イベントまで。
タイトル通り本当にすごかった。赤裸々にも程がある。
全然知らない世界だったので、爆笑&ものすごい衝撃でした。
今年1番かもしれない。
『第1章 41歳女性にクソ老人とののしられる』
もうね、このタイトルで勝ちですよ、勝ち。
こんなの絶対読みたくなるじゃん…。
この本を読んだ程度で「分かったつもり」になってはいけない、というのはもちろん承知の上ですが。
いやー、いるわいるわ。
メンヘラ、身勝手、欲求不満、貢がせ、詐欺、などなど。
事実はネットより奇なりというか。
世の中、本当にいろんな人がいるんだなあと感心しました。
読んでて頭がクラクラしましたよ。
こういった中でも「頑張れる」人は、嫌味ではなく、本当に凄いと思います。
自分ももっと歳を重ねたら、寂しさのあまり、同じようなことをするのだろうか。
うーん、怖いなあ…。
しかし男も女も、何歳になってもやることは大して変わらないみたいですね。
呆れるやら、感心するやらです。