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感想・レビュー・書評
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読んだ本 ノースライト 横山秀夫 20230726
名作です。
「半落ち」を読んで、あんまりおもしろかったんで、他の作品を探したら、以前テレビドラマで観たこの本に行き当たりました。ドラマは、たまたま観たんですが、なんか一風変わったミステリアスなストーリーに魅せられて、後編も録画して観たんですよね。だけど、ラストの方がどうだったか思い出せない。まぁ、改めて小説読むにはちょうど良いやと思って、買うことにしました。
主人公の一級建築士の青瀬が自らの唯一の代表作のY邸という家に住んでるはずのクライアントが行方不明になっているのに気づき、探し始めるというのが主軸。それに青瀬の離婚した妻と再縁を願う娘。ブルーノタウト。父との思いで。画家藤宮春子の記念美術館のデザインコンペ。いろいろなドラマがどんどんと継ぎ足されるように交錯して、悲しいけど美しい結末に収斂していくっていう話です。
最後の方で、そうそうこんな終わり方だったって思ったんですが、あまりにも沢山のドラマが、2本の線(かな?)に集約される様が、ドラマだとちょっと嘘っぽく感じたんだと思います。だから印象に残らなかったんじゃないかな。だけど、小説ではやはり情報量が違うので、納得感があるんですよね。すごく悲しくなったし、悲しみを背負う登場人物の優しさに胸をしめつけられたり。電車の中で読みながら、鼻が痛くなってやばかったです。
こんなに複雑なドラマなのに、めちゃくちゃ読み易いし。
次はクライマーズハイかな。 -
好きな作家さんの作品です。後半の圧倒的なストーリー展開は圧巻だった。翌日の仕事を忘れて、徹夜で読み切ってしまった。読めてよかった。傑作です。
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知らなかったブルーノタウトの事を知ることが出来、物作りの熱量に胸が熱くなった。どれだけ立派な家を建てても住むことが出来ないのはさもしい。
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建築家になれずコンプレックスを孕んだ建築士が主人公。
アトリエ設計事務所のリアリティ描写、ブルーノ・タウトの光の使い方。
建築空間が人間の人生の根幹に光を差しこむようにつながるお話。
設計事務所でバイトしていた時代を思い出したりコンペにまつわるヒリヒリとした興奮の闘いも面白かったです。 -
心情や建築物、芸術をこんなに言葉で表現できるなんて。裏表紙の書評通り美しい。
前半、話が動かず、どうなるのことかと思ったが、後半は号泣。電車で読んでなくてよかった。
今回は新聞記者は出てこんなー、と思っていたら、やはり登場してくれました。どこにでも現れる新聞記者(笑)