同志少女よ、敵を撃て [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 3162
感想 : 409
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感想・レビュー・書評

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  • 本屋大賞を受賞ということで読んでみました。独ソ戦を舞台に、母親をドイツ軍の狙撃兵に殺され、自らも狙撃兵となった少女の成長と復讐の物語。女子だけで編成される狙撃部隊で友情をはぐくみ、スターリングラードで死闘を乗り越え、宿敵と最後の対決に至るまで一気に読ませてくれます。

    アガサ・クリスティー大賞も受賞してますが、ミステリー要素はどこに?

    • kuwatakaさん
      アガサ・クリスティー大賞の審査基準は知りませんが、特に教官イリーナのこれまでの言動がラストの戦いですべて明らかにされるところは、ミステリーの...
      アガサ・クリスティー大賞の審査基準は知りませんが、特に教官イリーナのこれまでの言動がラストの戦いですべて明らかにされるところは、ミステリーの回収と同じだと思いました。それぞれの狙撃兵たちの表に見えている行動とその真意を繋げていくさまは、ミステリーの謎解きとよく似てますね。
      2022/06/24
  • 史実に基づいたストーリー展開と生々しい描写、仲間たちの群像劇が素晴らしかった。
    すべて読み終えてからタイトルを読むと切ない気持ちが溢れてくる。

  • 読み始め、オリガがウクライナのコサックの気持ちを吐露したところまで読んでたら、ロシアがウクライナに侵攻してしまった

    第二次世界大戦の独ソ戦が舞台 教科書で勉強した程度の知識しかなかったロシア革命や独ソ戦について(Wikipediaで)調べながら読む

    狙撃について、市街戦の描写、要塞攻略戦、戦時性犯罪、どの描写もリアルで、しんどくて一気には読めなかった

    ドイツに侵攻されて2000万人も亡くなった歴史に鑑みればロシアがウクライナを緩衝地域としておきたいことは理解するけど、やっぱり・・・

    もう一度読み返したいと思う本ではないけど、もっと勉強を広げたいと思える本

  • とてもデビュー作とは思えない、熟練の文士が堂々と書き上げたかのような名作。直木賞の候補にあがっていたのには大納得した。

    いわゆる独ソ戦の小説と言い切ってしまえばそれまでなのだけれど、小さな歴史を描くという昨今の風潮をふまえつつ、謎解きと恋愛と大団円の要素をきっちりと組み込んだ爽快な構成に仕上がっている。アガサ・クリスティ賞の選評を読んでも、もはや文句のつけようがない一作だったと見て良いだろう。

    巻末で言及されているのでここにも書いておくと、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチと併せての楽しみ方も大いに推奨したい。

  • ソ連に女性スナイパーがいて、ドイツ兵殺害にかなり活躍していたことはなんとなく知ってはいたが、この小説はそのソ連の女性スナイパーが主人公。うん、ストーリーは読ませます。主人公の設定も完璧で、まさにページを置くこと能わずのノリで最後まで一直線に読めますよ。文句なく星5つ、といいたいけど、4つにするのは本作品の主人公はあくまでも実在の歴史的存在に設定を借りたフィクショナルな女性。もちろん小説だからそこに文句はないのだけど、持っている価値観が今の現代人に沿うものでありすぎていて、若干抵抗を感じるのです。例えば敵に対する感情、同志たる男性兵士諸氏の占領下での悪行,特にレイプへの思い、それをしている男性兵士への葛藤、子供を撃つことへの葛藤、その前に動物を撃つということへの葛藤,等々実にスムーズに感情移入できる反面、ホントはどうだったのだろうか?とこちらが葛藤します。勿論現実に本書通りの感性の当時の方がいたかもしれないのだが、それでも同じ地平上に載せていいのか、それは却って失礼じゃないのかとも思うのですよ。まあただだか70年前ですからほぼ同じだったかもしれないんですけどね。でもまあ気になります。
    とりあえずそこの葛藤がなければストーリーは最高。実在の女性スナイパーリュドミラ・パヴリチェンコへの興味も引き立てられる格好の作品です。

  • 年末になって、読み応え抜群の大作に出会ってしまった。

    この本の感想を語るには、あまりに語彙力が足りない。

    • ryoukentさん
      Tawanさん,こんばんは。確か 本の雑誌 2022新年1月号で北上次郎さんが絶賛してました。僕も近いうちにカナラズ読む!
      Tawanさん,こんばんは。確か 本の雑誌 2022新年1月号で北上次郎さんが絶賛してました。僕も近いうちにカナラズ読む!
      2021/12/20
    • ほんやだワンさん
      先輩!、コメありがとうございます!

      相手の実力(?)がわからずkindleで読んでみたのですが、これは紙の本で読むべきだった!
      先輩!、コメありがとうございます!

      相手の実力(?)がわからずkindleで読んでみたのですが、これは紙の本で読むべきだった!
      2021/12/21
  • 史実を元にしたパートと、エンタメ性のある創作パートのバランスが素晴らしいです。
    実在したソ連の女性狙撃兵を主人公に、女性にとっての戦争を描いています。
    登場する主人公の仲間の女性狙撃兵は、みんな非常にキャラが経っていて魅力的です。ただ戦争の物語ということを考えると、その行く末を想像してしまいます。
    物語の終わりでのセラフィマの顛末に、哀しくもありますが美しさを感じました。
    ボリュームもありますが、読み進める内に引き込まれ、読み終わりたくない、という気持ちになりました。

  • 第二次世界大戦時の話し。村を失い母親を亡くした少女は狙撃手の教育を受けて戦争に招聘される。戦争の悲惨さと凄惨さの中に人間の哀しさが描かれている。

  • 長い、長いけど飽きずに読める
    戦争なので重たく、どんどん読み進めるというより、休み休み読んだ
    壮大でした
    この戦争について何も知らなかったので、長くなっても作中の説明はあった方がわかりやすい
    国どうしの戦争でも、戦っているのはひとりひとりで、個のレベルになると何が敵で何が味方がわからなくなる

  • 独ソ戦は、本当に、死者ばかりで、読んでいて、本当に「どこにも救いがない、それでも、明日を生きねばならない、明日を、国を守るためには銃を握るしかない」その強い強迫観念をまざまざと突きつけられる話でした。

    5/9はロシアにおいて、戦勝記念日。独ソ戦で、ソ連が勝利した日。この日、彼らの国では盛大なパレードが行われて、戦争で戦い、戦争で亡くなった、あるいは勝ち抜いた軍籍の家族の遺影を掲げ、あるいは当人が戦争で下賜された勲章を見につけて、練り歩く。
    私はそれを一度だけ見たことがあるけれど、あの時、それに対して、「そうか、この国にとって第二次世界大戦は勝った日なのか」ということと、出てくる戦車とかを「かっこいいなー」くらいのぼんやりとした気持ちでしか見ていなかった。
    でも、改めて、こうやって、フィクションとはいえ、史実に沿って、丁寧に、戦争の過酷さを、不平等さを、どちらが勝っても負けても、誰かが死ぬことを、描かれると、あの時の光景は全く違ったものに見えたのかもしれない。
    偶然とはいえ、このロシアの戦争が行われて、いまだ終わらぬこの時期にこの本が出たことに、何か強い縁を感じる。

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著者プロフィール

逢坂冬馬(あいさか・とうま)
1985年生まれ。35歳。埼玉県在住。『同志少女よ、敵を撃て』にて第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞。

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