エンベデッド・ファイナンスの衝撃―すべての企業は金融サービス企業になる [Kindle]

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  • 東洋経済新報社
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  • エンベッデッド・ファイナンス(組み込み金融)の定義や海外・国内の事例などを解説した本。

    エンベッデッド・ファイナンスとは、非金融企業が既存サービスに金融サービスを組み込んでサービスを提供すること。ITの進展により金融サービスがどう変化するのかをわかりやすく教えてくれます。

  • 最近、金融機関ではない企業が、自社のサービスに金融サービスを組み込んで提供し始めている。この新たな潮流、「エンベデッド・ファイナンス」について解説する書籍。

    エンベデッド・ファイナンスは、日本語では「組み込み金融」「埋め込み金融」などと呼ばれ、「非金融企業が、既存サービスに金融サービスを組み込んで提供する」ことを意味する。

    エンベデッド・ファイナンスは、5つの領域に大別できる。
    ①組み込み型決済:
    消費者の購買行動の動線に決済プロセスを埋め込んだもの。CX(顧客体験)の向上につながる。
    ②組み込み型貸付:
    「後払い」など決済機能とセットで提供する。顧客の離脱を防ぎ、購入金額の拡大も見込める。
    ③組み込み型保険:
    航空券や電子機器の購入など、消費者の行動の動線上に保険の加入プロセスを埋め込んだもの。
    ④組み込み型投資:
    「おつり投資」など、買い物などの行動の動線に埋め込まれた投資や資産運用などのサービス。
    ⑤組み込み型銀行:
    非金融企業が、顧客に預金口座を提供したり、クレジットカードを発行したりするサービス。

    エンベデッド・ファイナンスには、ビッグテック(巨大IT)企業も参入し始めた。例えばグーグルは、預金口座の開設や決済・送金が可能な新たな金融サービスの提供を予定している。金融サービスから得られるデータは価値が高い。よって、同社の狙いは、ユーザーのデータ収集にあると考えられる。

    日本では、ネット企業がエンベデッド・ファイナンスに積極的に取り組んでいる。Zホールディングスは、金融事業を新たな収益の柱にしようと考えている。メルカリは、様々な機能を持つ決済サービス「メルペイ」を提供し、メルカリ経済圏の中でモノ・お金・信用が循環することを目指している。

  • そんなエンベッデッド・ファイナンスの定義、背景などの基本から、国内外の具体的なサービスの紹介、AFA の取り組み、金融/非金融企業それぞれが考えなければならない対応策など、さまざまな観点から世界的に大きな盛り上がりを見せているエンベッデッド・ファイナンスの世界を詳細にレポートした一冊になります。
    今後の潮流を知る上でも読む価値のある一冊だと思います。

  • Audibleで読了。
    2ヶ月前の読了なので、覚えていない...
    ただ、あらゆるものに今後金融サービス(特に保険)が組み込まれるのは必然であり、それを前提とする必要がある。

  • ITに拠る金融世界の地殻変動を知る。スーパーアプリへの挑戦?難解です。

  • フィンテックの最近のトレンドである消費者の自然な行動に金融や決済を組み込むエンベデッド・ファイナンスのグローバルな動きを解説した本。
    さすがの情報量。

  • (2022/17)幅広い顧客基盤を持つ非金融企業によるタイムリーな金融サービスの提供ということで、やはりプラットフォーマーと呼ばれる事業者の優位性は揺るぎない。現在は国境を越えた拡がりには法規制上などの壁がある分野が多そうだが、そうなると各国で立ち上がってくるチャンスがありそう。自社で抱えるまでの組織力はないけれど、少なくともこういう流れや話が、技術的な面も含めて分かる人材は抱えるなり育てるなりしないといけないなと、最近思わされる機会が多い。

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著者プロフィール

城田 真琴(シロタ マコト)
野村総合研究所 DX基盤事業本部 兼 デジタル社会研究室 プリンシパル・アナリスト
2001 年に野村総合研究所にキャリア入社後、一貫して先端 IT が企業・社会に与えるインパクトを調査・研究している。総務省「スマート・クラウド研究会」技術WG委員、経済産業省「IT 融合フォーラム」パーソナルデータ WG 委員、経産省・厚労省・文科省「IT人材需給調査」有識者委員会メンバーなどを歴任。NHK Eテレ「ITホワイトボックス」、BSテレ東「日経プラス10」などTV出演も多数。著書に『FinTech の衝撃』『クラウドの衝撃』『ビッグデータの衝撃』『エンベデッド・ファイナンスの衝撃』 (いずれも東洋経済新報社)、『パーソナルデータの衝撃』(ダイヤモンド社)、『デス・バイ・アマゾン』(日本経済新聞出版社)などがある。

「2023年 『決定版Web3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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