火守 (角川書店単行本) [Kindle]

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  • 劉慈欣による「童話」。
    童話、というかすぐれたファンタジー。

    サシャが目的を達して、漁師に決意を伝えた時、「火守は意地悪く笑いながら言う」、と書かれていたけれど、「意地悪く」ではない場面な気がわたしはしたなぁ。

    「苦く」でもないか、「皮肉っぽく」でもないか、「静かに」、「何かを思い出すように」?いやそれは妄想をふくらませすぎか。なんだろうなー。

  • 童話だった!誰かにおすすめされて読んでみた。
    鯨の骨のイラストが好きだった。そして、鯨の骨のイラストまでの物語は好きだった。それ以降はなんだか味気ないストーリーのように感じた。
    サシャがヒオリの星の埃を取り孤島へ戻ってヒオリの体調が回復したという手紙を受け取ったのにも関わらず、ヒオリの元へ帰らずに大変な火守の仕事をすることを選んだのは、ヒオリへの愛を嘘や裏切りというもので汚したくなかったからなのではないかと思った。しかし、そのサシャの愛の大きさや深さがヒオリに伝わるかどうかは微妙だが。
    というか、何故サシャの元へ手紙が届いたのだろうか?ヒオリはサシャが孤島にいることを知っていたから?サシャはヒオリに孤島に行くことを伝えていたから?まあ、ファンタジーなのだから、あの人に届けて〜って言ったら届く世界線なのかしら。鯨の肉を食べる描写はないのね、日本との文化の違いを感じる、鯨の中を焼いて、お!食うのかな?ってすこし期待したが、やはり当たり前に道具の作成のためだった。
    私としては、深い優しさや愛というのは、深いゆえに相手に気づいてもらえないことが多いな〜なんて思う。えもいねーー

  • 無償の愛
    誰かがその人を思って行動する。
    人は皆、天と地と人の恵みで生かされている。

  • 「この世界に生きる全ての人は、空の上に自分だけの星があるんでしょう?もしその星に何かあったら、光が届かなくなってその人は病気になってしまう。もし長い間、星が暗いままだったら、命を落とす病気に」
    このセリフがこの物語の中でいちばん美しく感じた。

    鯨の骨を使って月へ向かう描写や月を漕ぐ描写、ヒオリの星を磨く描写も美しく幻想的だった。

    短い童話だったので仕方ないとは思うものの、なんとなく表面的な印象。銀河鉄道の夜や、エンレンカの「年月日」に比べると、映像美に寄った物語だと感じた。でもその分、アニメーションにしたら、とても綺麗だろうなあと思わさせられた。

  • 2012年、電車の中でiPadを使って一気呵成に書かれたそうな。人知れず人のために日課を続ける孤独な大人と子供の出会い。月と星と太陽の優しい物語。

  • 三体の著者による大人の絵本。この世界の全ての人は自分だけの星がある。星が暗いままだったら命を落とす病気に。病気の少女を救うため孤島に住む火守を訪れたサシャ、空に上がって星を治すことができる火守に導かれ月を目指す。
    火守Fire keeper≠灯台守Light keeperでした。
    挿絵と装丁が素晴らしいけど1650円という強気の価格です。
    日本語訳がもうちょい何とかならなかったのかという思いです。

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著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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