欅の木（谷口ジローコレクション） (ビッグコミックス) [Kindle]

著者 : 谷口ジロー 内海隆一郎

• 小学館 (2022年1月28日発売)

感想・レビュー・書評

[tsukasa26さんの感想 · 2022年12月28日]

その欅の木は、初秋の陽光を浴びて葉の茂った高い梢を風に戦がせていた。　雨樋の掃除などちゃんとした家なら元々毎年やるべきものです。　小宴を催した　一人娘を気に染まぬ不良の婿から奪い返した義父母は意気軒昂だった　家業に拘らずにはいられない長兄の依怙地さが寧ろ気の毒に思えていた　夏の終わりの夕風は一日毎に涼気を加えているようである　鬱陶しい屈託を抱えなければならなくなった　目敏く見つけた　今、弘はその「始末」という言葉を反芻している。　日本を代表する染色家が型染めで表現した色彩と造形の世界に、ノエミさんは完全に魅了されてしまった。　彼への追悼（メモワール）の思いを込めたかった　お母さんへの謝罪（アポロジイ）の思いをこめました　その過激な働き方が早逝の原因の一つだったことは間違いない　人生の無常を感じた夜　悲哀をたたえた敗北の物語であった　彼等を「偉い文人」として描くのは後世の偏見である　プラクティカル・ジョーク（悪ふざけ）　あまりに無自覚に環境を破壊する人間社会に対する戒めにも感じられる

著者プロフィール

1947年、鳥取県鳥取市出身。アシスタントを経て、1975年『遠い声』で第14回ビッグコミック賞佳作を受賞。『「坊っちゃん」の時代』シリーズ（関川夏央・作）で手塚治虫文化賞マンガ大賞、『遙かな町へ』『神々の山嶺』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。アングレーム国際漫画祭最優秀脚本賞など、海外でも数多くの賞を受賞。

「2022年 『サムライ・ノングラータ』 で使われていた紹介文から引用しています。」