THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ■評価
    ★★★★☆

    ■感想
    ◯Give and takeと同じ著者の本。考え直すための思考的な柔軟性を説いている。
    ◯知的柔軟性についての考察を書いている本である。
    ◯掘り下げ方が上手で、どんどん読むことができた。面白かった。

  • 激しく変化する世界においては、自分の考えを再考する柔軟性が重要。
    私達は無意識に牧師、検察官、政治家の3つのモードで考えるが、それぞれ問題がある(自分の信念を貫くこと、他者の過ちを指摘すること、多くの支持を獲得することに固執する)。
    科学者のように、自分の考えを疑い自分の知らないことを深堀りし仮説を検証していくような科学的思考をする事が大事。自分の考えを仮説とみなして、検証結果に応じて再考すること

    自信に満ちた謙虚さ、というスタンスが重要
    自分の過ちを見つけたら更に良くなるチャンスと捉える。

  • 異なる考えを並べるだけでなく、どちらと言えない複雑性を共有すること、説得するのは意味なく、聞く姿勢が大事、といった有用なアドレスが多いが、やや冗長か。
    新書のボリュームで語れるかと。

  • 自分自身を見つめ直し、再考することが重要。
    日々の生活を何となくすごしていると過信に繋がったり、慣れが生じることで悪い方向にいったりしてしまう。そういったことを無くしていくためにも再考は必要。
    他者の意見に否定はせず、質問する。
    自分の意見のどこに誤りがあるのか。
    自分は過信のサイクルに陥っていないか。
    そういった謙虚な考えを常にもつことが非常に大切になる。
    常に謙虚に、深い考えをもつ。
    自分は決して他者よりも優れておらず、もっと向上するべき存在だという意識が最も成長の過程で大事だと感じた。

  • 自分自身の、相手の、集団での「再考」。
    知っていると思っている何かを手放すことは難しいし、知っていると思っているのだからそもそもその発想がない。
    (けれども本当にそれを知っているのか?という問いに対する答えは「知ってるつもりー無知の科学」で詳らかにされている。)

    アンラーニング、心理的安全性。ちかごろ耳にすることが多いこれらのキーワードはここでも登場する。アダム・グラントの解説は別書と同様に実に巧みで、様々な事例を通しそれらへの理解を深めることができる。
    アンラーニング、心理的安全性というキーワードで興味を持つ人、自分自身の考え方を変えたい人、誰かを変えたいとおもうが思うようにいかない人にとってこれ以上にヒントが詰まっている本もなかなかない。

  • 人間は三つの思考モード 牧師、検察官、政治家 を使い分けている。
    牧師は自分の信念を形成し、それを確固たるものにするために、説教しようとする。
    検察官は他者の思考や主張の矛盾を指摘し、間違いを明らかにするための論拠を並べる。
    政治家は自分の考えに対する他者の指示を獲得しようとするためにキャンペーンを行う。

    3つのモードを行き来している限り、考え直すという行為は生まれない。3つのモードでは自分の信念を貫き、他者の過ちを指摘し、多くの是認を獲得するのに没頭するため、自分の間違いに気づきにくくなる。
    だから科学者モードが必要。

    思考の柔軟性を持つためには自分のアイデンティティから考えを切り離し、考え直すことが必要

  • 生活の中でふと「年齢と謙虚さの逆相関」を自己と他者の双方に感じ、その問題意識から手にとってみた。結果として、当初の興味に直接的に答えるものではなかったが、"Unlearn" を考える上で有用な良書だった。

    読後感や要諦は楠木建の「監訳者あとがき」に簡潔にまとめられているが、これだけを読んで「わかった気」になっては本末転倒だ。人は、つい「これは知っている」「聞いたことがある」と早合点し、知識が増えるにつれて思い込みから抜け出せなくなってしまう。著者は、これを「過信サイクル」だとして警鐘を鳴らす。自身の固定観念から真実が見つかったと思い込み、自尊心が確信を生み、自分の見解を疑わなくなる。これに対し、重要となるのが「再考サイクル」だ。無知や欠点を自覚することによって懐疑と好奇心が生まれ、知的探索を行ううちに新たな発見と出会う。このサイクルは「謙虚さ」が起点となる。

    また、本書で紹介される「人間が持つ三つの思考モード」も興味深かった。三つのモードを行き来している限り、考え直すという行為は生まれない。

    ①「牧師モード」... 人は自分の信念を形成し、それを確固たるものにしようと説教する。
    ②「検察官モード」... 他者の思考や主張の矛盾を指摘し、間違いを明らかにするための論拠を並べる。
    ③「政治家モード」... 自分の考えに対する他者の支持を獲得しようとキャンペーンを行なう。

    著者は、これらに代わり「科学者」の思考モードの重要性を説く。仮説、実験、結果、検証に立脚することが、メンタル・アジリティ(思考の敏捷性)を高める。自分がいま、どの「思考モード」なのかを意識し、科学者と適宜バトンタッチすることが肝要なのだろう。

    この他にも、エイミー・エドモンドソンの「心理的安全性」やケイト・マーフィーの「LISTEN」にも通底する内容から、道徳対立の超克やキャリア・幸福論にも関わるものまで、本書の射程は広い。ここからも、知的柔軟性の普遍的価値が伺える。

  • ”考え直す”
    「それだけ?」と一瞬思ってしまうような一見単純なテーマが、こんな深く豊かな内容になるとは、ある意味衝撃。

    ◇変化の時代には、確固たる信念より再考する柔軟さ
    ◇他者に再考させるには、説得してはいけない
    ◇子供に、「将来何になりたい?」と尋ねてはいけない。その理由は…

    せっかくAudible 聴き放題で聴いたのに、電子書籍も買ってしまうくらい、学んだ一冊。

  • 自分を信じないことを推奨する名著。
    20代だった頃の自分に読ませたい。

    「僕なら絶対できる」
    「私の考えは正しい」

    そうやって自分を過信することで人は視野が狭くなり、本当に大切にするべきものを見失ってしまう。そのさきに待っているのは、大失敗と後悔。

    大切なのは、つねに自分をいい意味で疑うこと。

    「僕のいまの能力じゃ、無理なんじゃないか?」
    「私の考えは、本当は間違ってるんじゃないか?」

    自分の未熟さ、弱さを客観的に把握し、そのうえで今の自分にできることは何かを考え行動しよう。

    こうすることで、徐々にではあるけれど確実に、僕たちの人生は良い方向に進んでいく。

  • 「知ってるつもり」ほど恐ろしいものはない。謙虚に、そして冷静に。発想を如何に変えられるかが大切だ。
    人間の感情とは本当に不思議だと思ってしまう。
    自分の考えは正しいのだと、根拠のない自信を持つ人は多い。
    冷静に考えて、周囲を見渡しより多くの情報を取得すれば、おのずと自身の考えが浅はかかどうかは分かるようなものだ。
    これだけの情報化社会だからこそ、きちんと調べれば多数の考察が出てくるし、それを持って深く考えれば自分なりの道筋が見えてくると思うのだ。
    一方で、エコーチェンバー現象には心当たりがある。
    都合のよい情報だけが増幅されるという意味だが、だからこそ自らが気を付けて、目で見えることをそのまま受け止めずに深く考えようと思う。
    本書では、科学者の思考マインドが大切なのだと説く。
    この説は非常に納得がいく。
    まさに「仮説」と「検証」。
    この場合はどうなのだろうと深く考察し、後は実直にそれが正しいのかを確認していく。
    これが繰り返し正しくできればよいのだが、どうしても人間なので判断の際は感情が入ってしまう。
    そこを出来るだけ排除して冷静になれるかが大切なのだろう。
    謙虚に自分のことを見つめ直す気持ちが大事なのだ。
    本書でも「現状維持バイアス」について記載があるが、これは本当に怖ろしいと思う。
    「昨日までがこうだったから、必ず明日も今まで通りになる」
    人間の営みの何万年間の暮らしの中で、これらの感情はどうやって培われてきたのだろうか。
    いつ敵に襲われるかが分からない原始の時代から、この現状維持バイアスはあったのだろうか。
    どういうタイミングで人間はこういう安定志向を手に入れたのだろう。
    生存戦略で考えれば「現状維持バイアスは、生き延びる確率がより高くなる」ということになると思うが、果たしてそうなのだろうか。
    思考停止状態に陥ることが、なぜ生き延びる確率が高めたのだろうか。
    これは、考えれば考えるほど不思議な気がする。
    何故なら、昔の方が間違いなく社会は不安定で、いつも不確実な状態に怯えながら生きてきたはずだからだ。
    日本で言えば終戦後の昭和時代が安定だったかもしれないが、人類の長い歴史で考えるとほんのほんの一瞬の期間に過ぎない。
    たった数十年間だけで、人類が何万年も培ってきた考え方が変わるものだろうか。
    そういうことを考えていくと、案外人間は「元々あまり考えない生き物」なのかもしれない。
    本書では「高学歴ほど自分は正しいと思い込んでしまう」と記載があるが、この歴史の流れで考えてみると頭の良し悪しは関係ないように感じる。
    「なぜブラックベリーはiPhoneに負けたのか?」
    個人的には、頭が良いからでなく、やっぱり「何か大切なことを見落としたから」としか思えない。
    「神の目」などというが、なぜか人間の中には、大切なものが見える人と、見えない人が存在する。
    「見える人」は、そもそも本質が見えているのだから、発想を変える必要はない気がする。
    むしろ「見えない人」が、それこそ発想を変えて大切なものを見えるようにならなければいけない。
    そういう意味で本書では、「見えない人」に対して、より見えるようになるための訓練の大切さについてを述べている。
    自らに疑問をもって、考え方をアップデートする。
    それが出来れば簡単なのだが、正解が何か分からない以上、一体どこまで「これでいいのだろうか?」と疑い続ければいいのだろうか。
    「思い込みを手放せ」というのは簡単だが、実行するのは本当に難しい。
    一つ言えることは「謙虚さ」が大切ということだ。
    傲慢になったり、慢心すれば、確かに本質を見る目は鈍るだろう。
    これはすごく理解できる。
    だからこそ謙虚な姿勢で学び続けること。
    勉強することは「情報を得る」こととイコールだから、まさに理にかなっている。
    スティーブ・ジョブスが携帯電話事業に参入することに反対していたというエピソードは意外だった。
    それをAppleの幹部陣が説得したというのだ。
    つまり天才だから必ずすべての本質が見える訳ではない。
    「神の目」なのではなく、「神の見方」を会得できるかということだろうか。
    Appleの幹部陣はどうやってジョブズに心変わりをさせたのだろう。
    ここでも本書では「相手に考え直させるきっかけを作ることが大切」と説く。
    あくまで相手の話をよく聞き、自分の考え方を押し付けないこと。
    そこで質問をする。助言ではなく「問い」を投げかけて、とにかく相手に考えさせる。
    これは難しいが、確かにこの方法を習得できれば大きな成果につなげられそうだ。
    思い込みを手放すのは本当に大変だ。
    意見を変えるというのは、優柔不断にも見えてしまう。
    要はそれらバランスの問題であるが、少なくとも「真実は何だろう」と問い続けて考え続けるようになりたい。
    薄っぺらい大人にならないためにも、きちんと勉強して深く考える習慣をつけたいと思う。
    「神の見方」が出来るように、謙虚な姿勢を忘れないようにしたい。
    (2022/9/8)

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著者プロフィール

アダム・グラント(Adam Grant)

ペンシルベニア大学ウォートン校教授。組織心理学者。1981年生まれ。同大学史上最年少の終身教授。『フォーチュン』誌の「世界でもっとも優秀な40歳以下の教授40人」、世界でもっとも重要なビジネス思想家50人(「THINKERS 50」)のうち一人に選ばれるなど、受賞歴多数。「グーグル」「ディズニー・ピクサー」「ゴールドマンサックス」「国際連合」などの一流企業や組織で、コンサルティングおよび講演活動も精力的に行なう。デビュー作『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』は31カ国語で翻訳され、全世界で大ベストセラーに。続く『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』(以上、三笠書房)も『ニューヨーク・タイムズ』紙でビジネス書の売上第1位、アマゾンUSでも第1位(企業文化)を獲得している。

「2022年 『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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