空をこえて七星のかなた (集英社文芸単行本) [Kindle]

著者 :
  • 集英社
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感想・レビュー・書評

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  • なんだこれ。めちゃくちゃおもしろい。もう一回初めから読みたい。

  • 星と宇宙をめぐる七つの物語。心温まる展開に思わず笑みがこぼれたり痛ましい出来事に胸が苦しくなったり。しかしそれも終章を読み終えてなるほどと。“北極星がいつまでも北を指していると思ったら大間違い。”そう、絶対なんてどこにもないのだから。

  • 連作小説なのか!って気が付いたとき、前に戻って人物相関図作りたくなった。
    「星は、すばる」の美星ちゃんが、星に携わる仕事に就いたこともだけど、昂太が眼科医になったのが胸熱だった。
    登場人物の苗字や名前も天体に関するもので、細かいところも楽しめた。

  •  小さい頃片方失明した女の子が、夏の大三角形を見に来ていた少年と仲良くなり、そのおかげでマイナス思考にならずに済んだ話など、明るく希望ある話が沢山ある物語です

  • 加納朋子さんの一番新しい作品。図書館の予約がやっと回ってきた。3ヶ月待ちくらい。
    素晴らしい作品だった。やっぱり加納朋子さんの作品好きだ。形式としては7つの短編からなる短編集。しかし最初の2つ3つ読んだところで,星とか宇宙にまつわるお話って共通点のある短編をまとめたものかなくらいに思っていた。実際表面的にはそれぞれの作品間に関連があるようには書かれていない。独立してちゃんと成立している短編になっている。それが驚くべきことに最後の短編で見事に結び付けられていく。ほんとに驚きしかない。何という物語の構成力。感動的でさえある。全体を通した主人公はタイトルにもある七星(ななせ)という女の子で良いのだろう。しかし短編たちを繋いでいるのは七星の母親である。最初の短編を読んでいて,七星は父親との2人暮らしみたいだし,お母さんは早くに亡くなったのかと思いきや,ちゃんと元気で生きていた。離婚したわけでもない。この人が実はすごい人なのだと分かるのは最後の短編まで待つ必要がある。
    それぞれの短編には様々な要素が散りばめられていて,複数の作家さんのアンソロジーを読んでいるようにも思えなくない。父と娘の2人の夏休み旅行記,小学生の女の子が学校で負ってしまったとんでもない怪我の話,高校の部員不足で解散させられそうな3つの部の話,とあるアパートに住む美女とストーカーの話,宇宙旅行で宇宙船が惑星に衝突してしまう事故の話,中学生になった七星に星合水輝という大切な友だちができて,水輝の父親が超有名俳優で,その父に苦しめられている話,そして総まとめの話。
    ある意味ネタバレと言えるかも知れないが,読み終えてからもう一度読み直すのを避けたいのであれば,すべての作品が最後に繋がるのだと言うことを念頭に置いて読んでみると良いかも知れない。私は全くそんな事を考えていなかったので全く気づかなかったが,そのつもりで読めばヒントが散りばめられているのかも知れない。あるいは答えを知っていてもわかりにくくなっているのかも。
    いやほんと脱帽です。
    単行本は高かったから図書館で借りたけど文庫化か電子書籍のセールか何か出やすくなったら絶対買う。

  • 4:1

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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