名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件― [Kindle]

著者 :
  • 新潮社
3.68
  • (26)
  • (52)
  • (28)
  • (14)
  • (3)
本棚登録 : 439
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (454ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ①ジョーデンタウンの指導者であるジム・ジョーデンに都合良い結末になる推理
    ②人民協会の集団妄想(怪我や病気の症状を正しく認識出来ない)に陥っている人々向けの推理
    ③信者でない人が理解できる推理
    の怒涛の三本立てに、理解していっている信者の人々がすごいなーと思いながら読み進めていました。こんなにツッコミを入れながら読むのも久しぶりかも。

    ・「〜するはずだ」って、それ大塒さんの主観だよね…そんな推理でも納得しちゃえるの?
    ・思わず「トビー症候群」って病気がどんなのかググったけど、そんな病名は実際には無いのね。
    ・トビー症候群って大人だが子どものような風貌とあっても、顔の皺はできると思うんだけど、それでも何度も会う人でも子供だと思ってしまうのかな?
    以上、心のつぶやきでした。

  • 開拓地に集団移住している宗教団体人民教会!!
    教祖の起こす奇跡を信じる信者たちにとって一見不可能に見える密室殺人ですら教祖の起こした奇跡として信じてしまう!!名探偵は奇跡めいた事件を論理的に紐解いて解決することはできるのか??みたいな話やけど展開も面白くて読みやすいしサクサクと話を読み進めていける!!

    畳み掛けるドンデン返し圧巻の解決編150ページって帯に書いてたけど確かに解決編のドンデン返しがえらい勢いで畳み掛けてくるから一気に読める!

    どっかで聞いたことある話やな〜って思ってたら実際に起きた事件の流れをほぼ同じような名前で描いてるからやったんやな〜

  • 見方や前提条件が違えば見えてくる真実は異なるのだなあと思いました。

    (本書内容)
    コロンビア大学でアメリカ宗教学会の年次大会が開かれるので宗教グループの現在に関する報告を聞きにいくと言い残し帰ってこない助手きり子さん。
    きり子さんを探し探偵 大塒さんと記者 乃木さんが
    アメリカ ジョーデンタウンにある人民協会に乗り込むが
    次々に事件が起きていって。

    読書期間  2023.10.30~2023.11.1

  • 多重解決モノはあまり好みではないが、とても面白かった。特にラスト直前のどんでん返しと、その後の伏線回収が見事だった。イヤミスではあると思うが、最後はスッキリとまとまっている。

  • 2024/1/30(火)
    白井智之先生#名探偵 のいけにえ#読了
    読み始めるは登場人物多いし、外国の方の名前やし、ややこしくてよーわからん…と思ってたけど…。
    後半の多重解決は見もの。
    怒涛の伏線回収は凄かった。

  • ミステリのカテゴリなのだが、そのなかでも本格ミステリに入るジャンルなので、登場人物は探偵と死者と犯人であり、すべての伏線を回収し完結させようとする強い意志を感じる。実際、きれいに完結する。

    本格ミステリということで、内容はロジカルであり、リリカルではない。そのあたり、ミステリランキング上位にあることを期待して読むと(なにを期待するかによるが)、口に合わないひとも出てくるかもしれない。

    タイトルからわかるとおり、人民寺院をモデルにしている。というか、ほぼそのままである。現実にあった集団自殺の事件に架空の探偵が紛れ込んだらこうなる、という内容である。

  • カルト宗教団体信者の集団自殺
    この謎に迫る探偵の推理

    前半で起きる事件や会話の端々が後半の謎解きにリンクしていて伏線は回収されるけれど、、多少強引な感じはする
    あと、人が死にすぎやしないか…
    人が死ななくても、伏線回収が鮮やかだったり謎が明らかになればそれはミステリーになるうる

    人が死ぬことを土台にしていること
    雑学や人の心の機微などの、推理以外の面白さが物足りない
    本格ミステリの弱点はそこだと思う

  • 流石にこれは凄すぎるになった...
    普通のミステリー小説は自分も推理しながら(強弱はあるが)進めていくがこれには後半圧倒されて推理を理解しながら読み進むので精一杯だった〜
    推理の構成の無理矢理感は仕方なくあるが、冒頭の出来事まで伏線にして物語を成立させてるのは狂気じみた頭脳で書かれているとしか思えない...
    (タイトルの意味も想像と全く違う意味で回収されたのも面白かった)
    ここまで濃密な時間を体験できるミステリーに出会うことは今後あるのかなとまで思うなどした
    多重解決物&宗教団体物としては「その可能性は既に考えた」と物凄く似てるんだけどこちらの方がかなり上回ってると個人的には感じた
    こんだけ書いたけど、未だに疑問点は二三箇所残っているのでそれの正当性を2度読みの時に確認して評価を変えるかもしれない(え)

    (ここまで捏ねくり回すと理解出来ないひと出てきちゃいそう)

  • 潜入捜査官殺人事件→ 人民教会(宗教団体)一斉殺人事件

    推理解決編が複数あって煩わしい。
    意味はあっても、雑な推理がまま鬱陶しい。
    解決編の推理も捻りなく、よくある推理に残念(ちょっと無理もあったけど)。
    4日間で仲間が死んでいって、旧友まで速攻でいなくなって、その悲しみの描写がなくよく平気だなぁって思う。

    主人公の乱暴な性格がイヤだ。
    助手がすごいだけで、推理力もないのに横暴な性格で怖い。
    推理も助手がわかったことを我が物顔で話すところ恐怖。
    英語が分からないのによく会話できているなって、推理しているなって不思議に思う。
    よく殺されなかったなぁ。

  • 白井智之『名探偵のいけにえ -人民教会殺人事件-』読了。
    物語としての面白さ、伏線回収の美しさ、謎の強度と独自性、魅力的なキャラクター、どこを切り取っても欠点らしい欠点はなかった。カルト宗教という特異性をミステリに導入する仕方については、異常なうまさで、舞台・謎・物語の親和性が高い。
    もはやこの舞台と設定はほとんど使い古されたはずなのに、あまりに物語に溶け込み必然性を感じるので、前述の三要素「舞台・謎・物語」が分解できない一つの傑作に仕上がっている。どれかが偏って強すぎず、ドライブ感が最後まで突き抜けていく感じがした。
    予想できる部分、自分の推理が先行していく部分もありつつ、驚いた部分もあり、ミステリの読書体験としては満足感が高かった。自分はもう数ページ読んだら「エモい!」と叫ぶだろう、みたいな予感がある瞬間がたまにあるが、今回もそれだった。あの現象に名前をつけたい。
    詳細は措くが、物語の運びが気持ちがいいほどにうまい。読者の記憶に適切に伏線を置いていく感じというか、フックがちゃんと読み終えるまでに繋がれていて、しっかりと手元に手繰り寄せられる。章終わりの惹きも相まって、その回収の過程が体感的にわかる。計算されていると感じた。

全51件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1990年、千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。『人間の顔は食べづらい』が第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となり、同作で2014年にデビュー。『東京結合人間』が第69回日本推理作家協会賞候補、『おやすみ人面瘡』が第17回本格ミステリ大賞候補となる。『名探偵のはらわた』は「2021本格ミステリ・ベスト10」で第3位。他の著作に『少女を殺す100の方法』『お前の彼女は二階で茹で死に』『そして誰も死ななかった』『ミステリー・オーバードーズ』『死体の汁を啜れ』がある。衝撃的な作品で読者の度肝を抜く、気鋭の本格ミステリ作家。

「2022年 『お前の彼女は二階で茹で死に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

白井智之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×