- Amazon.co.jp ・電子書籍 (179ページ)
感想・レビュー・書評
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自民党外交部長という要職にあり、日々難局に対応している立場からの真摯な警句。日米同盟があるといっても、日本が自分が汗をかかないと米国は助けてくれないのは当然の理。安全保障分野の今を平易な言葉で解説しているところが素晴らしい。多くの日本人に読んでもらいたい。
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日本は戦争を経験しているから、平和がとても大切だと声高に言う。歴史を振り返る時、先の大戦に日本がどういう状況で戦わざるを得なかったかを考えれば、この現代社会の状況を楽観視することはできない。
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2022年2月に、ロシアによるウクライナ侵攻が起こりました。
また、中国の武力による台湾統一の可能性も、問題になっています。
特に台湾は距離的に近いこともあり、日本及び日本人への影響も、取り沙汰されています。
実際に、台湾で武力衝突は起こるのか。
起こったとして、日本にどのような影響が及ぶのか。
この本の著者は、自衛隊初の海外危険地域への派遣が行われた際、隊長を務めたという経歴の持ち主。
この方が、「ヒゲの隊長」として話題になったことを、自分自身も記憶しています。
現在は国会議員として、外交、特に軍事面での問題・施策提起を行なっているとのこと。
まず著者は、日本がいくら平和に振る舞おうとしても、日本の領土を奪う、安全を脅かそうとする国があると、地図を示して説いています。
そしてロシア、北朝鮮、中国それぞれに章を割いて、なぜ日本の安全を脅かすのか、それはどの程度の危険があるのかを、解説しています。
さらに、ウクライナなど近年の戦争での事例を交えながら、戦争で使われている最新技術を紹介し、最後に、日本が進めていくべき施策を提案しています。
本書を聴き終えて、平和を愛することと、戦争が起こることを想定して備えることは、別物として考えるべきだ、と改めて感じました。
日本および日本人について、「平和ボケ」という表現がよく使われます。
これは、「想像してしまうと、それが現実に起きてしまう」という、<言霊思考>が背景にあるのではないか、と考えています。
この思考を脇に置いて、「起こっては欲しくないけれども、起こってしまうと大変だから、できるだけの備えはしておこう」という姿勢でいるべきだ、と思いました。
ただし、著者の唱える「総合安全保障」体制を構築するには、複数の困難があることも、本書を読んで学びました。
・想定すべき「敵」が複数、いること
・これらの国々が、連携して動く可能性もあること
・多方面での準備が必要で、時間もお金もかかること
日本人の一人一人が考え、総論として「やるべきだ」という世論になることが、前提になりそうだと感じました。
国際問題や国防に関することは、発信者により主張の幅が大きいので、関係する本を複数読んで、自分なりの考えを形成していきたいと思います。
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