旧約聖書がわかる本 〈対話〉でひもとくその世界 (河出新書) [Kindle]

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  • 難解。でも代表的なテクストの実例をベースに、ヘブライ語の翻訳家:並木浩一と作家:奥泉光の対談形式で解説が進む。巧みな構成には感謝。再読が必至か?特に最終章の「ヨブ記は、訳者の新解釈を込めた秀作との評価。

  •  決して入門書ではなく、「分かる」とは深遠な奥義が解き明かされるという実に内容の濃い本だった。聖書学者とキリスト教の造詣の深い直木賞作家の対話で進められる構成である。そして聖書そのものが、友人との対話以上に神との対話の記録であることが、ヨブ記に関する二人の対話から明らかにされる。義人であったはずのノアの失敗、アロンのポピュリストとしての誤り、立派な先祖とは言い難かったアブラハム、ヤコブ、ダビデらの行い、国家の悪を告発するアモスなど…。現代の世相にも通じる話は楽しかった。そしてアダムの創造は普通の男女として造られたことが、多くの神話が国王などの創造から始まることとの決定的な相違であること、「男女二人は父母を離れ、一体となる」との宣言が往時の父権主義の古代社会では考えられない思想であることなど、旧約聖書の全く革命的な思想には、全く目が開かれたように感じた。

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著者プロフィール

腕時計ジャーナリスト/桐蔭横浜大学教授(博士)
1961年横浜市生まれ。ダイヤモンド社にて雑誌編集長、編集委員を経て現職。1990年代よりスイスの2大国際時計見本市(バーゼル、ジュネーブ)を含めて、国内外の時計界を取材し、高級腕時計の書き手として第一線で活躍。学術論文も発表、テレビ・新聞でも多数コメント。生涯学習機関の「学習院さくらアカデミー」と「早稲田大学エクステンションセンター」では、一般受講可能な腕時計講座も開講している。
主な著書に『腕時計一生もの』(光文社新書)『腕時計のこだわり』(SB新書)『男はなぜ腕時計にこだわるのか』(講談社)など。雑誌では、「並木浩一の時計文化論」(『ウォッチナビ』/ワン・パブリッシング)、「並木教授の腕時計デザイン論」(『Pen』/CCCメディアハウス)等を連載中。

「2023年 『ロレックスが買えない。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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