世界の一流は「雑談」で何を話しているのか [Kindle]
- クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2023年3月31日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (186ページ)
感想・レビュー・書評
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グーグルに勤めるポーランド出身のピョートルさんから見た「雑談」の活用の仕方を指南してくれる本。
日本人の一般的な「雑談」は、お天気の話だったりして、ビジネスには意味のないものばかり。他の国やグーグル社内では、もっとビジネスでの関係性を構築するための「雑談」が繰り広げられている。日本人の一般的な雑談は勿体無い!
どんな話をするのがいいのか、どんな目的意識を持てばいいのか、ということを提示してくれています。
私はビジネスマンではないけれど、日常で、ふと考えたらプラスのこともあるかもなーと思いながら読みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
モルガン・スタンレー証券、Googleを経て起業家となったポーランド出身の方による、ビジネス上の「雑談」を無駄にするんじゃない!という1冊。
たまたま今、色々あって利他とかの研究をやってまして、その絡みでちょっとお勉強ということで、Kindle Unlimitedにて読了しました。2~3時間で読める分量ですね。
著者の主張としては、「天気の話=潤滑油の雰囲気づくり」で雑談を終わらせるのは勿体ない!とのことで、意図を持った対話をすることで仕事のパフォーマンスを上げて、成果を出すことにもつながると。
と、この話と、ネットで検索して出てきたサイボウズ社の「ザツダン」を比べてみると、サイボウズの「ザツダン」は敷居を思いっきり下げたものですが、本著で言う雑談は1on1に近いモノなのかなと思います。
(会議の冒頭でされるというくらいが共通点ですが、日本語の「雑談」とは、ちょっと違うのかも。)
https://teamwork.cybozu.co.jp/blog/1on1-meeting.html
サイボウズの「ザツダン」は部下の話を聞くことがメインのようですが、本著の雑談には「自己認識」と「自己開示」が必要で、目的を踏まえた準備をキッチリとしてから臨むことが求められます。
しかし本著、n=1の成功体験談の要素もちょっとあるなと。
著者が、モルスタで上司に最初に「今年の戦略を教えてください」と言って凄く喜ばれたという話がありましたが、これは安易に真似するとヤケドしかねないような気がします。。
ただ、例えばクッションフレーズ的に「素朴な疑問なんですけど」とか挟む、というのは、自分に遠慮させないためにも重要なのかなと思います。昔の上司で「変な話だけどさ…」が枕詞で、全然普通のコトをおっしゃる方もいました(笑
そんなに特別なコトは書かれていないと思いますが、読んでも良いかな?という気もします。チーム内の雑談、ちゃんとできていると良いんですが。。 -
雑談が苦手なのにチームを管理する立場になるので、惹かれて読んだ1冊。
日本と海外ビジネスマンの雑談は違う。
正確には海外のビジネスマンがする雑談は雑談であって、雑談ではない。
天気の話…無駄な話はいっさいしない。
どんなに束の間でも情報収集の場と捉えているし、
明確な目的意識がある。
それだけではなく、
効率的であるし相手の状況を確認した上で、
気遣いや思いやりも添えられる。
確実に安心感や信頼感が溜まっていくやり方。
こう見ると日本という国は本当に特殊な性質を持っているなと思う。
謙虚さや奥ゆかしさが美徳とされてるけれど、
居酒屋に場所が移ると会社や上司・部活の不平不満や愚痴をこぼしたりする…。
私が日本の雑談の場において、急に
あなたのビジョンは?
信念は?大事にしてる価値観は??
と聞いたら驚かれるかもしれないけれど
無意味でお約束な話をするより
少しでも何かを得よう、という目的を持って
雑談を活用していきたいなと思った。
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妻が購入してきておすすめされた本だったが著者がまさかのNEW ELITEで有名なピョートルさんでした。
内容は日本人は雑談を世間話や無駄話ととらえ、ビジネスに活用できていないためそれをいかに有益にするかという内容。
主に感じたのは2点。
1. 社内の同僚と喋る時もビジネスでこれらを試すチャンスがたくさんあるということ。
2. 僕が所属しているチームが外国人が多いという背景もあるが、僕の現在のコミュニケーションはラポールを築くには物足りないと痛感しました。在宅が多くなった世の中、いかにチームで働く際の心理的安全性を保ちつつ、チームの生産性を上げるために雑談を取り入れていくことが課題だと認識しました。
備忘として以下メモ
ビジネスの雑談の目的
1. 繋がる 相手との距離を縮めて信用を作る
2. 調べる 最新の動向や現状に関する情報を収集する
3. 伝える 自社の意向や進捗状況などを報告する
4. 共有する 最新の情報を相互に認識する
ラポール: お互いに心が通じ合い、穏やかな気持ちでリラックスして相手を受け入れられる関係を指す。
雑談を通して手にいれるべきは取り止めのないどうでもいい無駄話ではなく、以下のような関係
1. お互いに信頼できる関係を築く
2. お互いが信用できることを確認する
3. お互いを尊敬できる関係を作る
ラポールを作るための3原則
1. 相手が何を大切にしているかを知る
2. 相手が何を正しいと思っているかを知る
3. 相手が何を求めているかを知る
上記3つを知るための7つの質問
1. あなたは仕事を通じて何を得たいですか
2. それはなぜですか
3. 何をもっていい仕事をしたと言えますか
4. なぜ今の仕事を選んだのですか
5. 去年と今年の仕事はどのようにつながっていますか
6. あなたのいちばんの強みはなんですか
7. あなたは今どんなサポートが必要ですか
dialogue:
世界のビジネスシーンで一流ビジネスマンが交わしているもの。日本語で対話という意味だが単なる情報のやり取りではなく話す側と聞く側がお互いに理解を深めながら行動や意識を変化させるような創造的なコミュニケーション。
具体的な意図は以下の5つ.
1. 状況を確認する
2. 情報を伝える
3. 情報を得る
4. 信用を作る
5. 意思を決める
自己開示: プライベートな情報を含めて、自分の思いや考え方をなどを相手に素直に伝えること
自己開示の前に自己認識が先で何が好きで何が嫌いかを自分の中で持つことがさらに大事
欧米のビジネスマンが雑談のために準備すること
- どんな情報を求めているか
- 何をしりたがっているか
- 何を心配して、何を不安に思っているか
- どんなプロセスでプレゼンすれば納得するか
- 相手はどのタイミングで意思決定をするか
- 最終決定はだれがするの
なんのためにあうのか?
- 今日、相手に会う目的はなにか
- お互いに何がしりたいのか
- どんな関係性を作りたいのか
- その関係性は短期なのか長期なのか
- 相手班何を理解すれば納得するのか
出たとこ勝負の雑談をしないための根回し
- 会議の参加者はどんなメンバーか
- それぞれがどんな意見をもち、どんな味方をしているのか
- この会議でどんなことを聞きたいのか
- 何を肯定材料ととらえ、何が否定材料となるのか
エグゼクティブに聞く質問の例
1. ビジネスを始めたきっかけを教えてください
2. 過去の挫折体験を教えてください
3. ブレイクスルー体験はどんなものがありましたka
4. 現在のミッションはなんですか?
5. ビジネスに関して、どんな価値観をお持ちですか
6. ビジネスに向き合う際の新年を教えてください
社内におけるバイアスの代表例3
1. 無意識の偏見 e.g. 定時で帰るやつはやる気がない
2. 親和性バイアス e.g. 同じ大学卒の人に親しみを感じて無意識に評価が上がる
3. 確証バイアス e.g. 高学歴だから仕事ができるはずだ
メモ:
- ヨーロッパやアメリカでは社交的な会話ができることが美徳とされている(さらにそれぞれについて自分なりの意見を持っている)
- 雑談で効力を発揮するのはあくまでBtoBではなくCtoC
- ヨーロッパの国々は日本やアメリカと比べて教養が重視されている。特にリベラルアーツ。
- 相手の状況を考えているか
- If you want to be interesting be interested 「人を動かす」デール・カーネギー
- 異業種にはサイクル・トレンド・パターンについて聞く
- 聞きにくい質問をする際の枕詞: すいません。素朴な質問なんですけど。It may be a tricky question. -
元Googleの人材開発責任者が紹介する「雑談」に関する一冊。組織での「雑談」、ビジネスの場での「雑談」、エグゼクティブが交わす「雑談」、「雑談」のタブー等、普段、「雑談」をそれ以上でもそれ以下でも考えていない、(どちらかというと、面倒に思っている)私には、色々と気づきがある内容でした。
Google系のビジネス書は、「俺等、Googleでこんな進んだ取り組みしてるんやで」というドヤ感が、行間からそこはかとなく漂ってきて、ちょっとなんだかなぁって感じがしています。それは本書でも少々感じるところ。
とは言え、日本人ビジネスマンのしょうもない紋切り型の挨拶や雑談に対して、真正面から問題提起している部分は、かなり共感します。「今日は暑いですね」とか、「お元気ですか?」とか、それを聞いてどうすんねん、まずは仕事で共通言語が持てるようになって初めて信頼関係できるんやろ、というご趣旨はごもっとも。自分も普段、相当に雑談のバリエーションが少なく、沈黙対策以外の何物でもない雑談しかできていないので、耳が痛い内容ではありました。 -
雑談が苦手なので読んでみた。
よく、雑談が苦手な人は天気の話をすればいいと聞くけど、そんな話はしないほうがいいらしい。
なんとなくそれは分かる。自分もよっぽど変わった天気じゃないと天気の話はしようと思わないし。
じゃあ何がいいかというと、相手に興味をもって好奇心で話すことがいいそうだけど、それがなかなか難しかったりする。
そもそも、雑談というのは日本独特の習慣らしい。「Smalltalk」や「Chat」という言葉もあるけどニュアンスが異なるらしい。日本の雑談は「とるにたらない話」とか「どうでもいい話」という意味合いがあるけど、英語では「オープンでざっくばらんな情報交換」みたいな意味合いがあるとか。相手を不快にさせるのは論外だけど、このあたりの境目は難しいと思う。
もうちょっと意味のある雑談ができるようになりたいけど、それには自己開示をするのがいいのかな。でも、自分のことばかり話すのもそれはそれで、相手に悪い印象を与えそうなので難しそうなイメージ。
なお、イギリス人以外のヨーロッパ人の大半は英語の会話を嫌うらしい。少なくとも、日本語が話せると分かってる人相手では、英語で話さないほうがよさそう。
空き時間に雑談をするチームと、仕事の話しかしないチームだと、前者のほうがパフォーマンスがいいというのは、前にも何かで聞いたことあるような気がする。けど、やっぱり雑談自体が難しいので、話せなかったりする。
いろいろ書いてあって、納得できる部分もあったのだけど、うまく雑談できるようにはなれなさそうだなと思った。
ただ、相手を不快にする話はしないように気を付けたい。 -
本当の雑談は世間話や無駄話ではない。
お客様との関係づくりや生産性を上げるためのツールとして
どんな雑談が必要かがまとまった一冊です。
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はじめに
日本のビジネスマンは雑談=雰囲気づくり、世間話
大事なことは雑談を通して成果を出すこと
①状況を確認する ②情報を伝える ③情報を得る
④信用を作る ⑤意思を決める
第1章 世界の雑談と日本の雑談
日本人の雑談は社交辞令・演技・決まり文句の3つで構成される
自己認識→自己開示→自己表現→自己実現
雑談を通じてラポールを作る
雑談はCtoC、周到な準備をして臨む
無意味な雑談は①時間②ビジネスチャンス③評判を失う
第2章 強いチームをつくる社内雑談力の極意
多様性:ダイバーシティ、受容性:インクルージョン
雑談があるチームの方が生産性が高い
チームマネジメントにおいてはメンバーとの雑談は有効なツール
マイクロマネジメントよりも雑談を心がける
第3章 武器としてのビジネスの雑談
相手に興味を示すことが大事
①相手が何を大切にしているか
②相手が何を正しいと思っているのか
③相手が何を求めているか
お客様ビジネスのサイクル・トレンド・パターンを聞く
雑談の3つの心構え
その1 1回限りのチャンスと考える必要はない
その2 知り得た情報を次にどう活かすか?を考える
その3 前回の内容をしっかり覚えておく
第4章 こんな雑談は危ない 6つのNGポイント
相手のプライベートにいきなり踏み込まない
ファクトベースの質問は意外に危険
ビジネスの場で収入の話はしない
シチュエーションを考えた雑談を
宗教の話は無理に避けなくてよい
下ネタで距離感が縮まることは無い -
診療における雑談の大切さを研修生に説いていたタイミングと合致して、頷きながら読みました。
本番と関係なしのアイスブレイクというよりも、本番につながる雑談。 -
超学びになった。営業、育成、上司との対話まで、会話の基本は雑談だと思うので、沢山意識したいことが書かれていてとても勉強になった。
おすすめしたい! -
単なる天気やニュースの話でなく、相手を知るまたは自分を知ってもらうなど目的と狙いをもって、ビジネス雑談の時間を有意義にしよう。