私が先生を殺した (小学館文庫) [Kindle]

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  • 突然の担任交代、屋上に立つ人影、
    教室の黒板に残された言葉、それらを
    つなげて思いつく想像。

    生徒一人ひとりの視点から語られる事実は、
    想像をより確固たるものにしたのに、
    最後に明かされたのは予想を覆す真実だった。

    過ちに気づく人と気づけない人、
    気づいているのに目を逸らする人、
    気づいた過ちに向き合える人、
    どれもが自分であってもおかしくないと
    身を置き換えて考え込んでしまいました。


  • 色々な人物の視点から1人の教師の自殺について描かれる物語。
    誰しもがもしかしたら先生が自殺してしまったのは私のせいなのかもしれない…そんな自責の思いから各々が話し手となるストーリーに、「誰が犯人なんだ」という興味が章を読む度にそそられた。
    しかしこの作者は、最後の章で私の中で推理していた全ての仮説をことごとく否定しながら物語の全ての伏線を回収し、真実を語った。
    ほんとうにどんでん返しというか。ミステリーではありながら、最後の結末に涙さえ浮かんできた。
    誰が正しくて誰が悪か、先生を殺した犯人が分かっても尚、考えさせられた。


    事件は1つではなかったのだ。

  • 切ないラストでした。

    複数の人の視点で描かれた内容がどう繋がっていくのか、読み進めるほど気になって一気に読んでしまいました。

    惰性で続けた教師だったかもしれないけど、生徒とこんなに真摯に向き合える先生はどれだけいるんだろうか。奥澤先生が最後に突き付けられた事実と絶望は胸が痛く、報われない悲しさは後味が悪い。

    そしてあらゆる面で永束は賢く頭が良い。人の操り方を分かっている。卑怯で憎らしい彼もまた被害者であり、蔑視しつつも同情心も湧く。

    人物の描写とミステリーの組み立て方がすごかったです。タイトルが伏線にもなっていて、回収された時の驚きもよかった。

    エピローグで真実が明らかになった事、奥澤先生の勇気が届いた事、生徒たちが前向きに進んでいる事だけが救いでした。

  • 設定や展開はSNSの切り抜き動画で広まってしまった真っ直ぐで生徒からも人気の先生の真偽や私立高校の指定校推薦を巡る問題など現代的で登場人物の視点が章事にあって面白かったし続きが気になってサクサク読めた。
    ただ、エピローグでもう少し学校があの後どうなったのかが知りたかったと個人的に思ってしまったのでそこだけ物足りなく感じた。

  • とある私立高校にいる若くて人気のある教師奥澤。とあることからネットでさらし者になる。語り部を替えて語られる高校生活。少しずつ真実が明らかになっていく。続きが気になり一気読みしてしまった。おすすめ。

  • この本の起承転結が面白すぎ!語り手が次々と変わり、最後には心をしめつけられます

  • それぞれの視点で物語が描かれている。

    先生の視点にうつってから一気に謎が晴れる。
    そこに至るまでのミステリー小説感が面白かった。

    なんとなく答えが見えてから先が読めてしまったから、後半は前作ほどの勢いがなかった。

    生徒のために疲弊しながらも秘密を抱えながら戦う教師。苦しかった。

    良くない部分だけ一部切り取られた動画を見て
    大人気教師の人気が一気に落ちるところは
    SNSの怖さが描かれていて現代の小説らしいな〜と思った。

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著者プロフィール

2013年、第19回電撃小説大賞で大賞を受賞した『きじかくしの庭』でデビュー。21年、コミカライズ版『塀の中の美容室』が、第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。著書に、『幻想列車 上野駅18番線』『殺した夫が帰ってきました』など多数。本書は、相続を通し、バラバラだった家族が過去の軋轢や葛藤を乗り越える期間限定の家族の物語。

「2022年 『相続人はいっしょに暮らしてください』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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