イーロン・マスク 上 (文春e-book) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 感想は下巻

  • 電気自動車の実用化、再利用可能ロケットの開発など、どれもこれも常人には不可能な偉業を次々と成し遂げてきた男イーロン・マスク。常にその破天荒な行動・発言は議論の的となり、つい先日もTwitterを買収したことで大きな話題を呼んだことは記憶に新しい。彼のルーツはどこにあるのか。どういった人生を歩み、どんな発言をして、誰と出会い、どう決断してきたのか。彼を突き動かすものとは何なのか。南アフリカでの幼少時代から始まり、父エロール・マスクとの虐待に近い父子関係、SF小説や宇宙にハマり、やがて電気自動車やロケット開発に乗り出していく過程をつづったノンフィクションである。メディアで彼の人物像が取り上げられるとき、大抵は面白おかしく粗暴な面や安定感の無いメンタルが語られがちであり、あながちそれは間違いでは無い。だが、重要なのは「なぜ彼はそうしてしまうのか?」「そうすることで何を得て、何を失ったのか」という点だろう。著者は丹念にイーロン・マスクの人生を追い、仕事の面からもプライベートの面からも調べ上げていく。そしてそれらをつなぎ合わせることで、これまで語られることのなかった彼のストーリーが浮かび上がり、上記の理由も見えてくるようにされている。パワフルなエピソードにあふれ、これほど極端に振り切れる人間じゃなければ偉業を成し遂げることはできないものなのかと圧倒され、ただただ読み物として面白かった。一例をあげるならば、ロケット製造にあたって部品が高いという理由で内製化に踏み切るのもすごい。そんな簡単にできちゃう金と能力があるという点で。Xドットコム、スペースX、テスラなど、革命的な事業の根本にはSF者としてのマインドがあるように感じていたのだけど、この本を読んでそれは確信に変わった。イーロン・マスクはSF好きだ。そしてその夢を、ビジョンを現出させようとしている人だ。はっきり言って仕事でもプライベートでもお近づきにはなりたくないタイプの人ではあるものの、何かを成し遂げようとする意思の強さ、それを実現させる能力の高さ、未来をみつめる先見性、どこをとってもエネルギーにあふれていて天才とはこういう人のことを言うんだとつくづく感じる。著者の取材力の高さも含めてとてもいい本だった。さて下巻を読もう。


  • (audible)
    イーロンマスクの伝記だが、上巻だけでもかなり内容が濃くてびっくりした。
    イーロンや両親含めて、ものすごくぶっ飛んでる家庭だし、リスクを犯すことを生きがいみたいにみえました。
    さらにイーロンの幼少期のアフリカでの生活や起業するまでの流れも壮絶で、もし、同じ立場だと考えたら、想像したくないようなものです。
    しかし、この過酷な生き方が世の中の流れを変えているだなと実感しました。
    彼はいつか学校の教科書載るとおもいます。
    audibleで聴くと臨場感が出て面白いです

    #読書
    #読書記録
    #audible
    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書ノート

  • 【常識では不可能なら、非常識が必要になるわけです】(文中より引用)

    スペースX、テスラ、そして旧ツイッターことX・・・。数多くの事業を手がけ、現実の臨界点を引き延ばし続けてきたイーロン・マスクとはいったい何者なのか。著者は、現代を代表する評伝作家と言っても過言ではないウォルター・アイザックソン。原題は、『Elon Musk』。

    ここ最近の読書の中でもっとも没頭してしまった作品。イーロン・マスクのぶっとびぶりと、ウォルター・アイザックソンの冷静かつユーモアあふれる筆致が相まり、極上としか言いようのない体験をすることができました。2023年を代表する一冊として文句なしのオススメです。

    ツイッター×マスクは禁断の組み合わせだったんだなと☆5つ

  • 面白かった。
    でも、とても2週間の図書館期間では読み切れず。
    始めの方しか読めていないけれど、幼い頃から本が好きで百科事典を読みまくっていたとか、卒業論文は再生可能エネルギーについてだったとか、いろいろ意外だった。
    治安の悪い南アフリカでの暴力的な環境。圧倒的な存在の父親。
    その中で、貪るように本を読み生き抜いていく感じが凄かった。

    印象に残ったフレーズ
    「マスクはストリートファイターだが、驚いたことに負けた現実を直視できる」

    また、いつか続きを読もう。

  • 上巻が読み終わった。
    イーロン・マスクの生い立ちと事業立ち上げ期のストーリー。宇宙にロケットを飛ばし、EVで世の中を変える。将来の社会課題に向かって果敢に挑戦していく。

    世の中を変える商品の発表は一度しかない機会、妥協せず、ベストなものを出すことに全力を尽くす。世の中を変えるってこういうことなんだなと。

    派手なセレブ姿のイメージが強いけど、エンジニアとして自らコードを書いたり、工場の工程や物作りまで指示を下す。やっぱりすごい。

    下巻が楽しみ。

  • この本は、マスクの物語ではあるけれど、同時にマスクという強力な磁石に引き寄せられて、人生の軌道修正を余儀なくされる人々、そして社会の物語。

    南アフリカで生まれ育ち、カナダ大学→ペンシルバニア大学→スタンフォード進学。ネット勃興期に電子決済サービスのx.com を創業し、PayPalと合併し同社トップなるも他の経営メンバーから放逐。民間ロケット会社のスペースXを創業し倒産ギリギリの状況から同社経営を軌道に乗せる一方で、テスラを設立。常識外のあの手この手で製品開発と生産基盤を立ち上げるも、彼の一挙一動が世の中に知れ渡るようになるまでで上巻は終了。スターリンクのサービス開始やTwitter買収は下巻に持ち越し。

    2010年代後半以降は、Twitter上で彼のTweetや奇行を見ない日がないぐらい目立つ人だけれど、家族、特に父親との関係が彼にとっては大きな心の傷なっているということ、2002年に生まれた息子さんが生後まもなく亡くなったこと、仕事に没頭するあまりに配偶者との関係が何度も破談になっていることなどは本書で初めて知った。

    ネット個人金融サービス、電気自動車、民間商用宇宙飛行、スターリンク、生成AI、SNSプラットフォーム。好むか好まざるかに関わらず、彼の存在が世界の方向を決定づけていることを実感。団塊ジュニア/エコーブーマーと言われる1971年生まれの人間の中で、最も強烈な個性/才能/情熱を持った人物だろう。

    翻訳と挿入されている写真もとても良い。下巻が楽しみ。

  • イーロン・マスクの生い立ちやストーリが、ここまで細部までありありと描いてるものは初めて出会った。

    最高にスリリングでアドベンチャラスな人生を追体験できる貴重な作品。

    面白いので是非!!
    下巻も読むのが楽しみ!


    # 心に残ったポイント
    - 父エロールがあまりにやばい人物であること(感情の起伏、寝取りetc)
    - イーロンは、アスペルガーで、両極性障害っぽい面があること(家族想いのときと、冷徹モード、ヒーロモード)
    - リスクをオール・インで取っていくスタイルということ(ポーカで全がけして、最後勝てばいいというスタイルというのが印象的だった)
    - 猛烈に働くこと
    - 銀河ヒッチハイク・ガイド 好き
    - 戦略ゲーム好き(シヴィライゼーション、ダンジョンズアンドドラゴンズ)
    - 振り回しにより、周りが結構やられていくが、世界的な偉業をいくつも成し遂げてる。(ジョブズと一緒。このパターンは鉄板なのか。)

  • ペイパル、スペースX、テスラ、そのほか
    オープンAI、ソーラーパネルやトンネル事業、脳につなぐチップなど数多くの先進的な事業に出資して関わっているマルチタスク型の天才。
    イーロンマスクの出自から特殊な人格などパーソナルな部分から、これまでの成功と挫折の道のりが一通り描かれている上巻。
    トラウマに近い悪影響を父親から受けていたり、人との付き合いが不得手であったり、幼少期から宇宙やSFに興味を強く持ち、読書の虫であった事からも、イーロンマスクが形成されている要素が良く分かる。仕事に対しては細部まで把握し、非情なまでに部下を切り捨てるところがある。
    要件や規制などは疑いをかけ、物理法則で決まっている法則以外は全て勧告であるという。
    「常識的に不可能であれば、非常識を使うしかない」という彼の言葉が印象的。

  • 単なる金持ちかと思っていたけど、背景にある目的、想いに驚いた。今後に注目していきたい。

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著者プロフィール

ウォルター・アイザックソン【著者】Walter Isaacson
1952年生まれ。ハーバード大学で歴史と文学の学位を取得後、オックスフォード大学に進んで哲学、政治学、経済学の修士号を取得。英国『サンデー・タイムズ』紙、米国『TIME』誌編集長を経て、2001年にCNNのCEOに就任。ジャーナリストであるとともに伝記作家でもある。2003年よりアスペン研究所特別研究員。著書に世界的ベストセラー『スティーブ・ジョブズ』1・2、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』上下、『ベンジャミン・フランクリン伝』『アインシュタイン伝』『キッシンジャー伝』などがある。テュレーン大学歴史学教授。


「2019年 『イノベーターズ2 天才、ハッカー、ギークがおりなすデジタル革命史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ウォルター・アイザックソンの作品

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