- Amazon.co.jp ・電子書籍
感想・レビュー・書評
-
Kindleではなく、通販で紙の本を購入して読んだ。その手間をかけるだけの値打ちがあった。なんで通常の出版ルートじゃないんだろうと思ってたけど、なんとなくわかったような気もした。漫画は敷居が低いから、売れっ子になると特にファンじゃない人も読む。で、あれこれ言う。「描きたいものを描きたいように描く」ってことが結構難しくなるのかもしれない。大成功してからもコミケで漫画売る方もいるし。これは支持者が少なくても作者が描きたかったものなんだな。
ありきたりと言えばありきたりな成長出世ストーリーなんだけど、それをギャグ四コマでやるところがいしいひさいち。新聞連載でちょっとだけ見ていたロカちゃん、こういう子だったのね。ヤンキーの美乃ちゃんが、これまた定型的なのにいい味なのだ(柴島という名字は「くにじま」と読むんじゃないのかな。いしい氏は関大出身だし)。
ラストには賛否両論あるようだけど、わたしはじーんとしてしまった。これくらい投げ出して、読者の想像にまかせるのもありだと思う。なにもかも説明されないと気がすまず、わかりにくいとケチをつける傾向が強まっているような気がするが、それじゃつまらなくないか。あと、「百合」的に見る意見もあるようだけど、ごくストレートに女子のバディものってことでいいのでは。
おなじみキャラが出てきて、これは楽しい。大人になったののちゃんや、変わらず元気そうなおばあさんが見られて嬉しかった。それに、なんといってもキクチ君のおばあさんが最高にカッコイイのだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昨年から自費出版作品として話題沸騰で、Kindleに入ったら読もうと思っていたいしいひさいちの『ROCA: 吉川ロカ ストーリーライブ』が、何といきなりKindle Unlimitedに入った。
さっそく一読。
評判通りの素晴らしさであった。4コマ・マンガとしてしっかり面白いし、感動できる。
ファドを歌う女子高生・吉川ロカが、その才能を見いだされ、世に出ていくまでの物語――。
いしいひさいちならではのオフビートな笑いの4コマ・マンガを楽しむうち、コマの向こう側からロカの歌声がくっきり聴こえてくる。
登場人物は見事にキャラが立っているし、音楽マンガとしても上質だ。 -
身分違いの百合
そんな、むかしの少女小説にあるようなストーリーを
現代に持ってきたもの
ある意味では「お固い」のね
少女に優しい世界の幻想を打ち砕くという
損な役回りを引き受けるのは
ほかならぬ少女じしんでなければならない
フェミニズムってそういうことだな
-
どういうこと?!
-
結末が意味不明
口コミで話題なりたてのときに、3刷の本を2冊買った。
難儀。私にはよくわからなかった。おもしろくもなかった。
ファドについては初めて知った。たまに挟まるロカちゃんのかはいい話もいい。
一方で、ストーリーはありがちな成長物語だらう。人物造形もありがち。基本的に、オチもつまらないやらスベってるやら。誰かがズッコケるオチの4コマは、無理矢理に感じる。
とり・みきがいしいの絵について「仰角斜め横から見たポーズ」が珍しいとほめてゐる。しかし、いしいだから珍しいのであり、他の漫画には普遍的な表現でしかない。さういふところがいしいファン向けだらう。
最後でロカちゃんがゴメンナサイと二度謝る場面、そしてそれにつづく結末の展開は投げ出してゐる。最もよくわからない。(私は、柴ちゃんのメールを見て、自分で火をつけたのか?と思った。それとも、もうこの世にはゐない、とうに昔の出来事だといふことか?)どうやらスピンオフの『花の雨が降る ROCAエピソード集』に真相が描いてあるらしい。だが、私はそこまでして知りたい気持はない。
いろいろ調べてみたら、私のほかにもピンとこない人や、あるいは傑作だと絶賛する人がゐた。あるブログを見たら、百合がうまいと書いてあって、人気なわけをすこし納得した。でも百合自体が別段おもしろいわけではない。初期のほうの書評に、中条省平のものがある。あの書評もほめてゐるのかゐないのか、波風の立たない書評だ。
(大声では云はないが)おそらく読者がキャラクターに入れこむタイプの、通俗マンガなんだらう。 -
唐突なラスト
-
これはアレだなののちゃんのスピンオフみたいなやつ。今どきいい話だった。ラスト前のサウダージの表情がすごくよい。
-
『ROCA: 吉川ロカ ストーリーライブ』
いしいひさいち: 著
作者ご本人が「らしくない」とあとがきに書かれていらっしゃる従来の4コマギャグ漫画とは違う傾向のストーリー作品。
ファドというポルトガルの民族歌謡に魅入られてファドの歌手へなりたいと願う主人公のロカさんと陰ながら支える一見怖い先輩の柴島先輩とのデビューまでのエピソード。
違う傾向とはいっても、いしいさんのギャグセンスに裏打ちされたテンポ感により軽快に物語は進んでいくのでした。
ラストに引きずられて姉妹作品の『花の雨が降る ROCAエピソード集』も購読しました(*^o^)/
個人的な感想としてはロカさんほどの才能はなかったけれど、ロカさんのように天然さが満載で「変わっている」と言われつつも面白がって見守って下さったり支えて下さった方々を色々と思い出したりで、その面でも物語に引きこもれましたし、その思いもあってのラストはより印象深かったのでした。
Kindleにて購読