鏡の国 [Kindle]

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  • PHP研究所
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感想 : 25
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感想・レビュー・書評

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  • 岡崎琢磨さんの長編小説。
    岡崎さんと言えば『タレーランシリーズ』や『夏を取り戻す』などの作品が有名だが今回はそれとは違った作中作やどんでん返しをこれでもかと堪能できる作品でした。
    作中作の『鏡の国』には描かれていないエピソードの謎を解くために姪の怜と担当編集だった勅使河原が原稿を読んでいくという話。『鏡の国』は身体醜形障害に悩む主人公・香住と幼なじみで幼い頃に顔に火傷を負った配信者・郷音の久々の再会を軸に郷音のやけどのきっかけとなった火事の真相に迫っていくというもの。
    ルッキズムの問題に深く根ざしていて、それによる体への影響や周囲の人々の無理解やそれに苦しむ人々の表現が凄くリアルで良かったです。展開もタイトル通り鏡のように反転の繰り返しでとても面白かったです。登場人物全員が怪しく見えてとても読み応えのある作品でした。そして現実世界の話も勅使河原の推理が鋭くて、もしかしてこの人が黒幕なのではないかと思わせる感じでとても面白かったです。
    どういう所が伏線だったのかは、回収されたときにその伏線がどこに張ってあったのかという所が書かれているのでとても読みやすいですのでお勧めです。ミステリーとしても社会問題を提起する小説としても優秀な作品ですので是非読んでみてください。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    桜庭怜:小松未可子
    勅使河原篤:高木渉
    室見響子:小山茉美
    香住響:愛美
    新飼郷音:伊藤美来
    久我原巧/久我原幸秀:古川慎
    吉瀬伊織:島崎信長/大塚芳忠
    遠藤征一:安元洋貴

  • 作家 室見響子の遺作 「鏡の国」
    面白かった。
    登場人物響子はどっち?顔に残る火傷のあと、性格の違い、全然結び付かず必死で最後まで読んでしまいました。成る程!真相はそうだったのね。
    私的には最後のシナリオは載せるべき^ ^「了」

    馴染みのない言葉(漢字)が多かった。

  • ⭐︎4.7
    全てが伏線。(タイトルも表紙も伏線)
    なんだろう、完敗。
    とにかく素晴らしい。
    予想だにしないストーリー展開。
    いろいろ勉強にもなりました。
    身体醜形障害
    相貌失認
    など、未知の領域でした。
    書物はこれだから、やめられない。
    なんか上手くまとまっていないが、読後すぐの気持ちだ。圧倒された。

  • 作中作と合わせて2倍以上の面白さ★★★★★

  • 前半はかなり退屈だった。後半とラストはかなり盛り上がり、面白い。

  • 設定や煽り文句に期待しすぎました。

    ミステリ部分はまあなるほど、と思う内容でした。

    人物描写や人間関係の部分が浅いので不完全燃焼というか、ここまでひっぱる話ではなかったです。
    小説の中の小説、削除されたシナリオ、過去と未来を行き来する構図など面白そうな仕掛けがたくさんでどんな展開が待ってるのかと想像しすぎました。
    普通の話でした。

    面白そうに見せる技はすごいと思いました。

  • よくできたミステリーだとは思う、しかし、モチーフとなった、ルッキズム、身体醜形障害、そして自身に問題を抱えた若い男女の恋愛、に興味が持てないもので、読んで感銘を受けたという程でもない。「終章」の「削除されたエピソード」なるものを読んでも「ふーん」としか。ごめんなさい、ねじくれた性格で。まあ、僕向けではない小説だったのだな、と。

  • 構成も内容も面白く引き込まれた。自分なりの疑問もあったがラストで解消!

  • 読み始めたら止められなくなった。

    冒頭の一文「私は叔母を嫌いになった。」でグンと引きつけられて、叔母である室見響子が残した小説『鏡の国』に削除されたエピソードがあるという謎が提示される。
    小説『鏡の国』を一章ごとに姪が読み、合間に削除されたエピソードがどういうものなのかというストーリーとは別に「ノンフィクション」とされる『鏡の国』の作品中でも、謎の提示がされる。
    二重構造のミステリで、何より小説『鏡の国』がミステリとして十分魅力的で、削除されたエピソードを除いたラストシーンは美しかった。

    そして、それを踏まえて削除されたエピソードも提示して、物語全体の読後感を爽やかに閉じているのは素敵すぎた。
    本当に読み始めたら最後まで手が止められなかった。 すぐにでもレビューを書きたくなる作品なんてたくさんあるわけじゃない。
    『鏡の国』は読んで、その熱が冷めないうちにすぐにレビューを書きたくなる作品だった。

  • いつかは失われるものに、自分の絶対的な価値を置いてはいけない。
    何かを持っている、何かを持っていないかでは価値を判断できない。
    あなたがあなたであることに絶対的な価値がある。

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著者プロフィール

1986年福岡生まれ。京都大学法学部卒。2012年、第10回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉に選出された『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』でデビュー。翌年同作で第1回京都本大賞受賞、累計250万部を超える人気シリーズに。この他の著書に『夏を取り戻す』、『貴方のために綴る18の物語』、『Butterfly World 最後の六日間』など多数。

「2022年 『下北沢インディーズ ライブハウスの名探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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