書いてはいけない [Kindle]

著者 :
  • 三五館シンシャ
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感想・レビュー・書評

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  • 森永さんが渾身の思いを込めて書いた作品。 人は死と向かい合う中で自分の心に嘘はつけない。ステージ4のすい臓ガンと闘病しつつ書かれた本書にはえもいわれぬ真実味がある。
    ただ、いままで読んできた本と被る部分があり⭐3です。
    この本は3つの闇、言い換えればタブーとされてきたことについて語られている。「ジャニーズ事務所による圧力と性的搾取」「財務省による圧力」「日本航空123便墜落事件の真相」ノンフィクションとして読みごたえがある。森永さんが真実を伝えたい気持ちが十二分に伝わってきた。
    でも、個人的に一番よかったのは第4章の日本経済史であった。プラザ合意で日本は先進国から袋叩きに合いいきなり2倍の円高に持っていかれる。結果、貿易黒字を大きく減らした。半導体の値段すらアメリカに勝手に決められる。国内産業の海外移転による空洞化もこの頃だ。以後もアメリカのいいなりになっていると言わざるを得ない。日銀の指導により引き起こされたバブル経済、小泉改革の真相と欺瞞、これまで別個だと思っていたことの全てが繋がりとても腑に落ちた。ここは経済の素人である私にもわかりやすかったので繰り返し読み返したい。外交は国同士のパワーバランスを如実に反映していることをまざまざと見せつけられた思いだ。
    やはり大なり小なり、組織や個人には墓場まで持っていかなきゃいけない話はあるもの。それは国家も然りといったところか。たくさんの失政とも言うべきことがありながら、私たち庶民はよくやってきたなと思う。
    また、LGBTQ問題やジャニーズ問題など勇気をもって声をあげたからこそ前進した。果たして財務省は?日航機と自衛隊、在日米軍の闇は?白日のもと晒される日は来るのだろうか。それとも圧力がかかりメディアはまたしても忖度走るのか。社会の動きが気になる。


  • 年収300万円時代の本を書いた森永卓郎さん。
    その時代をうまく捉えた感性にうならされた。
    いま(2024年3月現在)、森永卓郎さんは、
    ステージ4のすい臓がんの告知を受けて、
    それでも本つくりやその本の告知に時間を費やされている。息子である森永康平さんも、父親のその仕事を支えている。

    この『書いてはいけない ー日本経済墜落の真相ー』は、
    森永卓郎さんの40年にわたる研究者人生の集大成であり、遺書でもあるという。

    メディアでは、けっして触れてはいけない3つの「タブー」に触れた内容は、事実を知らない私たち国民にとって、驚くことばかりだ。

    1985年8月におきた日本航空123便の墜落事件のあと、日本経済は「潮目」が変わった。実は、日本航空123便の墜落事件というのは…

    私の個人史においては、1985年8月というのは、最もハッピーな時期だった。この本を読んで、バブル後の「失われた30年」の真実を知って、アメリカや財務省にこびへつらってきた日本人の変質が、悔やまれてならない。

    大手メディアは、この本の内容を、きちんと報道すべきだ。

  • 大きく3点の内容が、メディアでは言ってはいけないことになっている。
    ① ジャニーズ性加害問題
    ② 財務省はカルト教団である
    ③ 日航機123号墜落原因は自衛隊の誤爆である

    ①ジャニーズ性加害問題は、アメリカメディアからの指摘を発端として叩かれまくった。

    ②財務省はカルト教団。
    ・「日本は世界最大の借金を抱え、財政破綻が国民生活の破綻をもたらす」という真っ赤な嘘を元にしている。
    ・2020年度末で、国は1661兆円の負債を抱える。しかし、国は資産も1121兆円持っている。負債も世界最大であれば、資産も世界最大。差額の540兆円が日本政府が抱える借金となり、これはGDPの527兆円と同程度であり、先進国では普通の水準。
    ・日本政府が発行した国債は日銀が買っており、2023年末で576兆円。日銀が国債を借り換え続ければ、元本を返す必要はないし、政府が払う利子も国庫納付金として返ってくる。
    ・上記より日本は借金ゼロの状況である。が、財務省は「財政赤字を拡大したら、国債が暴落し、為替が暴落し、ハイパーインフレが国民を襲う」と脅迫する。
    ・しかし、新型コロナで莫大な追加予算が発生した2020年度の赤字は80兆円にも達したが、暴落やハイパーインフレは無かった。
    ・岸田内閣は上記を受け、2023年度は財政赤字を10兆円にする、3年間で70兆円もの財政引き締めを行い、国民生活が疲弊した。

    ・カルト教団は正体を隠して市民に近づき、徐々にマインドコントロールを深めていく。財務省も同じで「ご説明」と称して布教活動をしている。

    ・1997年に消費税率を3%から5%に引き上げたのをきっかけに、日本は15年間にわたり物価が下がり続けるデフレに苦しんできた。2013年4月にアベノミクスが始まると、消費者物価指数は上がり始め、2013年12月には2%という目標物価上昇率に到達。そのまま2%の上昇率で2014年の3月まで継続した。アベノミクスの金融緩和・財政出動が正しかった。
    ・が、2014年4月に消費税率を5%から8%に引き上げ、物価上昇率は1年でマイナスになりデフレに戻る。
    ・金融緩和を継続する中での消費税増税は、アクセルを踏みながらブレーキを踏むことになり、意味がわからない。

    ・2014年の非科学的経済政策は繰り返される。2023年の閣議決定した経済対策は「所得税・住民税減税」が目玉。だが問題有り。「物価高対策にはならない」こと、消費税減税だと税率引き下げで物価が下がるから物価抑制効果があるのに。「一時的な減税は貯蓄に回り、消費を拡大しない」給付金の8割は貯蓄に回る。今回は減税のあとに増税が有ることが分かってるので、景気対策効果は無い。
    ・だが、朝日新聞は「過去3年、国の税収が物価上昇影響で過去最高を更新してきたが、収支を見ると赤字が拡大しており、借金頼みになってる。」と書いているが、事実は2019年度の基礎的財政収支の赤字は13.9兆円だが、2023年予算だと10.8兆円と赤字は拡大していない。新聞はいつまで財政破綻を煽るのだろうか。。。

    ・ホリエモンも、消費税アップは貧乏人に取って良い。月20万しか使わない人は税金2万円しか払わないが、月1000万使う人は100万払う。金持ちから取ろうと思うなら消費税を上げた方が良いし、赤字国家だから減税すると若い人につけが来る。と主張している。
    ・が、アタオカで金持ちから税金を取ろうと思ったら所得税の最高税率を上げるのが普通。まあ、富裕層は自分の会社の経費で生活してることが多いので、法人税を上げるなどが正しい。ホリエモンのところには、財務官僚が「ご説明」に来ているので。

    ③日航機123便の話
    ・1985年8月12日18時12分に羽田空港から伊丹空港に向けて飛び立ったが、18時56分に御巣鷹の尾根に墜落した。事故原因は、機体後部の圧力隔壁が破損し、機体内部から吹き出した空気圧で尾翼の一部と油圧装置が吹き飛んで、墜落した、となっている。
    ・墜落時刻は18時56分だが、墜落場所特定は翌4時39分で、生存者発見は午前10時54分だった。内陸部墜落なのでレーダーに捉えられていたのに、何故場所を特定するまで10時間も掛かったのか…。
    ・文化放送の大村記者はたまたま近くにおり、夜8時には山の裏側に居て、赤い夕焼けのような火を目撃し、文化放送で現場からの第一声を流している。翌日の読売新聞にも、午前2時10分に航空自衛隊から墜落場所は御巣鷹山との記載がある。墜落場所の村長が、墜落場所が自分の村であることを通報している。

    ・当日、JAL123便は18時31分から日本語で管制官と機長が会話している。それを聞いた近隣の米軍輸送機が一大事だと気づき、日航機を捜索している。夕暮れ時に墜落地点を見つけ、20時半頃に救難ヘリが向かっている情報を得たとのこと。その後、1時間ほど経って座間からのヘリが到着。隊員を地上に下ろそうとしていたが、煙と炎がすごくて近くに降りれないので少し離れたところに下ろす許可を横田基地にもらおうとした。が、横田基地からは日本側から救助するから退去しろとの話だった。生存者の落合由美さんも墜落直後にヘリコプターの音を聞いている。

    ・当日、真夜中に日本の自衛隊がヘリからロープで地上に降りれたのか?当時の総指揮を取っていた松永氏に聞くと、真っ暗で周囲も解らないのに人を下ろすのは自殺行為とのこと。米軍に聞くと、サーチライトはもちろん暗視装置もあるので夜間など問題ないとの回答。

    ・事故が起きてから2時間。首相官邸のなかで、警察が担当すべきか、防衛庁が担当すべきか、自衛隊が担当すべきかで議論が続いていた。との話もある。

    ・123便の乗客が窓の外を取った写真を解析したところ、オレンジ色の飛翔体が123便に向かって飛んできている。地上からも目撃されている。開発中の陸上自衛隊のSSM-1(88式対艦誘導弾)であった可能性がある。ミサイルの洋上飛行実験中に突発的事故が置きて、日航機の垂直尾翼に命中。その後自衛隊のファントム二機が追跡し、自衛隊がそのミスを隠すために一晩中墜落場所を不明としていた。墜落の直前に123便の右側第四エンジンが自衛隊のミサイル攻撃を受けて墜落したという説もある。第四エンジンだけが粉々になっていた。
    ・現場はガソリンとタールの匂いがして、また現場のゲル状物質を現代で鑑定するとベンゼンが含まれている。航空機の燃料にはベンゼンは使われない。自衛隊の火炎放射器にはガソリンとタールが使われている。一晩かけて証拠隠滅の為に犠牲者もろとも焼き払ったのでは・・・?

    ・当時の自衛隊は国民の向ける視線が厳しかった。今は災害派遣や安全保障の緊迫化で国民の理解はあるが。あの状態で民間機を攻撃したということが明らかになれば、内閣が吹き飛んでしまうぐらいの時代だった。
    ・アメリカは全てを掴んでいたので、自衛隊存続のために黙っていて貰った。そのためにアメリカには大きな借りができた。

    ④その他
    ・トミカは1985年のプラザ合意以前は99セントで売っていた。合意以降、価格が倍以上になり、誰も買わなくなり、80年代のうちに中国製のミニカーに取って代わられた。こうした日本経済への集団リンチはずっと発生している。
    ・小泉内閣の構造改革も、9.11に対してアメリカから「経済安定のために不良債権処理を行うこと」と言われ、迅速に対応している。小泉内閣の大きな政策は郵政民営化と不良債権処理。どちらもアメリカの言われたことをやっただけ。
    ・アメリカの郵政民営化の狙いは、郵便貯金。国民がためてきた200兆円の貯金は手出しできない。新NISAだ、貯蓄から投資だといって、元本保証の貯金から保証のない投資信託に誘導する。今は史上最高値のバブルになっており、弾ける。その時利益を享受したハゲタカ共は高値で売り抜けて、損をするのは国民なのだ。

    ・かつて世界シェアの2割を占めていた日本のGDPは4.2%まで転落した。
    ・財務省が進めた必要以上の財政緊縮政策。財政をどんどん切り詰めて、国民生活を破綻させる。ザイム真理教が要因。もう一つは日航機事故に起因して、国の経済政策を全てアメリカ任せにしてしまったこと。これらが要因。

  • そのとーり!
    としか言いようがない^_^

  • 「年収300万円時代を生き抜く経済学」を発刊時に読んでマジかよ~って不安に感じてから20年が経って、残念ながら予測が事実になってしまった...。また本人は経済学者で結構金持ちながら、明らかに庶民側に立って経済政策を意見してくれて、主張にもブレを感じなかった。
    (自身素人ながら、竹中平蔵の新自由主義的思想は断固NOだし、不況の一番の要因は消費税というのは共感している。)

    さて本書の感想として、痛い真実をついていると感じたのは日米関係で、現在日本の政治を担っている実力・腕力・信念皆無の世襲坊ちゃん政治家達はアメリカの子犬もいいところなので、そう思うとこの先すこし寂しい気持ちになってきた。。。

    日航機については衝撃過ぎて、早速そのルポ本を購入!
    真実だったら恐怖過ぎる.......。

    森永さんは現在、病気をなさって療養中だが無理せず完治に専念してできるだけ長生きしてほしい。

  • 森永卓郎さん、渾身の一冊です。
    物事の一面だけではなく、多方面から知ることがいかに大事なのか知らされました。
    点だったものが線につながる考察が素晴らしかったと思います。

  • 書いてはいけない 森永卓郎 三五館シンシャ
    メディア業界で触れてはいけない
    ジャニーズ性加害と財務省批判と日航123便墜落事件の三つのタブー
    命に関わりかねないタブーに深く挑んだ
    超ビックリな内容である
    〜事実は小説よりも奇なり〜
    正にハラハラドキドキと共に
    腹の煮えくりかえる驚愕の内容だ
    前書きを読んだら
    最後の第四章から読んでもいいかも知れない?
    この三代タブーは日本で生きる以上
    「財務真理教」と共に読まなければならない重大な内容である
    ある意味背筋が伸びるほどに面白くもある
    日本を復活させるには
    財務省を筆頭とする官僚の人事権と天下りを禁止することと
    日航123便墜落事件のフライトレコーダーとボイスレコーダーの全面開示をさせることを除いて成し得ないのだろう

  • 微妙でした。

  • 電子書籍で一気読み。
    陰謀論とも見ることもできるが死の間際のひとがわざわざ、、、と思いながら読みました。
    ジャニーズの件は森永さんがあえてここで言わなくてもというないようでしたが日航機事故と日本経済の関連はまさかと思わざるを得ませんでしたが説得力がありすぎます。

    人がソレナリニ変わっていくなかでこのような秘密が組織的に保たれていけるものなのか、不思議には思います。

    ただ納税局は財務省から切り離すべき、というのは大賛成。

  • 前作「ザイム真理教」に続く、第二弾。メディアでは、けっして触れてはいけない「タブー」が3つ存在した。(1)ジャニーズの性加害(2)財務省のカルト的財政緊縮主義(3)日本航空123便の墜落事件 この3つに関しては、関係者の多くが知っているにもかかわらず、本当のことを言ったら、瞬時にメディアに出られなくなるというオキテが存在する。世間から非難の攻撃を受ける。下手をすると、逮捕され、裁判でも負ける。ステージ4のがん宣告を受けた作者が、命があるうちに完成させたいと思い完成させた作品。

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著者プロフィール

経済アナリスト、独協大学教授

「2022年 『楽しい!2拠点生活』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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