警視庁アウトサイダー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2021年9月18日発売)
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本棚登録 : 345
感想 : 26

連作短編集。
警視庁桜町中央署。蓮見光輔は期待の星だ。母の介護のため1度兵庫県警を退職したが、警視庁に再就職した。組織犯罪対策部から架川が異動してくる。見た目はほぼヤクザ。派手なスーツにサングラスだ。何か不祥事を起こしたための異動と噂されている。
蓮見は実は偽物。10年前に、長野で、刑事だった父が、ホステス殺しで逮捕された。その無実の罪をはらすために警察に入り込んだ。同じく架川も、暴力団とつながりのある警察関係者を探りだし、組織犯罪課に戻りたい。二人は仕事で実績を上げるために協力する。
そして、蓮見、架川の案件に関わるのは上層部の有働?がとっかかりだと思われる。

感想
本書だけではシリーズは終わらない。二人のメインの謎は次の作品?に続く。「メゾンドポリス」と同じようなテイストを期待して読むと、もう少し歯ごたえがあって、意表をつかれる。組織内での覇権争いにページを割かれているから。あと、蓮見が若くてイケメンだけど、影があるので、作品全体の明るさは「メゾン」よりは少なめ。でも、読みやすい。普段、ミステリーの組織ものを読まない私でも構造がスッとわかる。会話や地の分で、説明してくれているし、その分量がくどくない。登場人物が多いけど、それぞれキャラ付けされているのでそれも読みやすい。架川の付けたあだ名、「桜町三兄弟」、笑ってしまった。
二人が所轄内で担当する事件でも、組織犯罪対策課で培ったノウハウを発揮する架川。コミカル。見た目とのギャップが想像しやすく、上手いなーと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説
感想投稿日 : 2023年2月21日
読了日 : 2023年2月21日
本棚登録日 : 2023年2月21日

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