硝子戸の中 改版 (角川文庫 緑 1-19)

著者 :
  • KADOKAWA (1988年5月1日発売)
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本棚登録 : 30
感想 : 4
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病み上がり(というか死の淵からの生還と言う方が正しいか)のリハビリ的要素の強いエッセイ集(?)。
確かに生より死の美化とか所謂「則天去私」とかいった読み方も出来るんだろうけど、もっとシンプルに死を覗いた上での素直な他人への感謝に満ちた作品だと思うんだけどなぁ。まぁ、漱石って基本的には優しい人なんだろうと思う。
そのためという訳でもないが、吐血の様子の俯瞰的描写など読みどころは色々あるけど、当方一番心に残っているのは町井石子嬢にまつわる小噺(?)。
そうですよ、漱石って『猫』『坊っちゃん』を書いた作家、こういったどこかほのぼのした描写はお得意なんですよ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年1月22日
読了日 : 2014年1月22日
本棚登録日 : 2014年1月19日

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