ことの真相は京極ファンなら、かなり早い段階でたどり着くのではないか。かなりあからさまな、読者を騙してやろうという意志の余り感じられない書きぶりなので、むしろ甲羅を経たミステリファンの方が、レッド・ヘリングを疑って明後日の方角に進んでしまうかも知れない。☆シリーズの初期作、例えば『姑獲鳥の夏』なんかはこのトリックを成立させるためには、この分量がどうしても必要というような説得力があったが、本作には感じない。正直、半分かもっと短くできるだろう。水増しと言えば言えなくもないのだが、このふわりとした感じがよいという読者は間違いなくいるはず。ただ文庫で読みむとさすがに重たい。☆終盤の展開には思わず落涙。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年12月30日
- 読了日 : 2023年12月30日
- 本棚登録日 : 2023年12月30日
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