スロウハイツの神様は何をするのだろう。上巻の伏線が下巻で回収されていく。なぜスロウハイツなのかもわかった。
コーキと環が中心で、若く青々とした人間関係が絡まり縺れていく。
環の気持ちが印象深く伝わってくる。最大の伏線の回収は「お久しぶり」と言ったコーキの言葉だと思う。神様とは誰のことかもわかる。最後までハッキリさせないのは、相手の気持ちはもどかしい状態が最も楽しい時期だと感じる。文脈から答えは見えてくる。それでいい、それだからいい。
10年前の事件は、初めにインパクトがあったのでどこで繋がるのかが読みどころだ。郷土を思う気持ちはどこに住んでいようと普遍だと思う。
ゆっくりと大切に両手で包み込むスロウハイツ。
そして神様は、スロウハイツに集めた表現者たちを使って世間の未来ある人たちに、生きると言う事の意味を発信する事が目的だったように感じた。
第12章の表現はステキな気持ちに溢れて、感動すら覚える。そして最終章とエピローグへと余韻を残しながら・・・。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
辻村深月
- 感想投稿日 : 2023年10月31日
- 読了日 : 2023年10月31日
- 本棚登録日 : 2023年10月28日
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