ビタミンF (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2003年6月28日発売)
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本棚登録 : 10057
感想 : 884
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2003年(発出2000年) 362ページ

第124回直木賞受賞作です。
重松清さん、初読みです。
人の心にビタミンのようにはたらく小説。
Family、Father、Friend、Fight、Fragile、Fortune … 〈F〉で始まるさまざまな言葉をキーワードに紡いだストーリー、そしてFiction…お話の力を信じ続けていくーーーーー後記で作者が述べられていたことばです。
◉ゲンコツ
◉はずれくじ
◉パンドラ
◉セッちゃん
◉なぎさホテルにて
◉かさぶたまぶた
◉母帰る
7編の短編小説がおさめられています。
いずれも30代後半くらいの男性を主人公とした物語です。家族、親子、夫婦の関係を描いた物語で、どれも印象深いお話でした。日常の中の重苦しい出来事をテーマにしたお話が多かったです。主人公が、それぞれ家族関係の悩みや葛藤を抱えています。家族間の表面には見えない心、そして家族の絆を描き出しています。どんな家庭でも起こり得るリアリティさがあり、身につまされます。特に『セッちゃん』が切ない。『かさぶたまぶた』も主人公の視点が胸にきます。他のお話も心を揺さぶってきます。
さすが直木賞と思う作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説 国内 男性作家
感想投稿日 : 2024年3月20日
読了日 : 2024年3月20日
本棚登録日 : 2024年3月20日

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