アルジャーノンに花束を 改訂版

  • 早川書房 (1989年4月1日発売)
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感想 : 662
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昔、翻訳書をサッと読んだ時は、それほど心に残りませんでした。それが、翻訳書を参考にしつつ原書を訳しながらじっくりと読んだ時に、主人公の心情が初めて心に迫ってきて、とてつもない物語だということがわかりました。小尾芙佐さんの翻訳も改めて素晴らしいものだと思いました。

物語は経過報告という形で綴られる主人公の日記形式。
知的障害のあるチャーリーに施された実験により、チャーリーは天才的な頭脳の持ち主となるが、同じ実験を受けたネズミのアルジャーノンにより、自分の行く末を予期することになる。

パン屋に勤めていた時のチャーリーと天才になった後のチャーリー。
どちらが幸せだったのか、という問いに答えるのは難しいかもしれません。
パン屋に勤めていた頃は、同僚にバカにされていましたが、彼らを友達と言っていたチャーリー。
それが、知能が高くなるにつれて、だんだんといろいろなことが理解できるようになり、苦しみも増えていきます。
そして孤高の天才となってしまったチャーリー。

最後はとても感動的でした。
人間の知性や感情について、いろいろなことを考えさせられる本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説 海外 男性作家
感想投稿日 : 2023年2月24日
読了日 : 2022年11月29日
本棚登録日 : 2022年11月29日

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