「カブールの園」「半地下」の中編2編を収録。「カブールの園」は芥川賞候補となったようだ。どちらもアメリカで日本人の子供が生きる上での生きづらさがリアルに伝わってくる。特に「半地下」で、とりとめもない空想を英語と日本語どっちで考えてたのか分からなくなったり、好きな人の名前を発音できない男同士が共感しあう場面が良い。「カブールの園」は女性の内省的な語りで終始するが、祖母や母の世代の葛藤を理解し、自らも辛い生い立ちに苦しめられながらも、新しい自分たちの世代が作っていく未来への希望が感じられるラストに救われる気がした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
国内小説
- 感想投稿日 : 2018年4月19日
- 読了日 : 2018年4月19日
- 本棚登録日 : 2017年5月18日
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