自分自身、今病院にお世話になっている。体調を崩して長期間休職した。病院で処方された薬に効果が全く無かったとは言わないけれど、今無事に働けているのはしっかり取った休養と職場の環境を変えた事だと思っている。
さて、この作品に登場する伊良部一郎先生はわがまま自分勝手といえど医者の本音が全面に出ている気がする。精神的な病は本人の性格・考え方や置かれた環境によるものですぐ良くなるものでもない。「あれ(一般的な治療方法)って全く意味ないよ」とどストレートで患者に言う。タバコの火が気になって出掛けに何度も家に出たり入ったり確認する患者へ「タバコの火が気にならなくなっても次はガスの元栓か?」その通りだ笑。タバコの火→ガスの元栓→漏電…心配のタネは山程あって気にする性格ならほんの些細な事だってきっと対象になる。自意識過剰で、大勢のストーカーに付きまとわれ常に視線を感じると訴える患者。多分すぐに効く薬も注射もないし、認知行動療法だって変えるヒントを得るだけだろう。
伊良部の言動は何だこのオヤジは?って感じなんだけど、本人にその気があるかは不明でも意外と患者には寄り添ってくれてるような…笑。「いらっしゃーい」と迎えてくれて、すぐに注射は嫌だけど。話を聞いてくれる存在っていいよね。この人だけにはなりたくないって感じさせてくれるのも安心できる材料。名医?迷医?こんな医者がいたらきっと社会的にすぐ問題になって、メディアで叩かれるだろうけど一人くらいこんな荒療治な医者がいてもいいかなと思いました。終始笑わせてくれる作品!
私は休職とともに読書を始めて、リラックスできストレス解消もでき、家にいても疑似体験、ルーティンにして心を落ち着かせられるなど良い点をあげればきりがないけど今や読書しないと落ち着かない。やれないと逆にストレスが溜まる笑。依存症になるのも性格だろうな。作中のプール依存症と一緒 笑。
『イン・ザ・プール』を読み終える前に『空中ブランコ』『町長選挙』をまとめ買いした。気付けば読書依存症&伊良部依存症 笑。元気になりたい人、とにかく腹の底から笑いたい人におすすめの作品です!
- 感想投稿日 : 2023年11月24日
- 読了日 : 2023年12月10日
- 本棚登録日 : 2023年11月21日
みんなの感想をみる