「屍人荘の殺人」に続いて、剣崎比留子第ニ弾。前作はゾンビ、今回は超能力、予言という人間が絡めなさそうな題材をホラーではなくミステリにまとめ上げているのが今村昌弘の凄さだと感じた。予言は運命だからトリックなんて存在しないかと思うと犯人はその特性を利用した上で殺人を行い、剣崎・葉村が解き明かしていく。
サキミは祈祷を行い、ずっと先の未来を夢で見る。また、孫の十色はすぐ先の未来をスケッチブックに瞬時に描く。状況は分かっても誰に不幸が訪れるかは絵の中は黒い人影で表現されている為、分からない。というより描いた時点では不確定。この作品で自分が驚いたのはこの点で、犯人はスケッチブックの絵の状況に合わせる(鼠、赤い花を置く)事で特定の人物を陥れる。斬新だ!予言にあった人数の4人を先に殺してしまえば自分は死ななくて済む…そんな考え方があったか?!
神紅のホームズ、愛されキャラ(?笑)の明智さんは前作早々に散ってしまっていたので今作は登場しなくて寂しいなと思ったが、明智さんについて語られる場面があって良かった。「うまくいかないもんだな」は名ゼリフ。読者の想いをしっかり作品に表現してくれていて嬉しかったです。
図書館でタイミング良く、次作を借りられたので続けて読みます。斑目機関の真相は?次は剣崎と葉村のどんな駆け引き、推理が?う〜ん、とても楽しみ!
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- 感想投稿日 : 2023年10月15日
- 読了日 : 2023年10月15日
- 本棚登録日 : 2023年10月8日
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