絵本マボロシの鳥

  • 講談社 (2011年5月17日発売)
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感想 : 42
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魔人チカブーがオリオン劇場にやって来る!
チカブーの芸を見るために劇場は超満員で、外も黒山の人だかりだ。
場内は人が多すぎて、芸人が酸欠を起こす始末。
支配人は空気を入れるために、チカブーとの契約に反して、
天井の窓を開けて換気をした。

さて、チカブーの登場で観客は大興奮。
チカブーの手から出た光の中から現れたのは、これまで誰も見たことのない、
美しい”マボロシの鳥”だった。

その鳥はチカブーの手から舞い上がり、くるくると回りながら上昇し、
チカブーが気付いた時にはもう手遅れで、”マボロシの鳥”は
天井の窓から逃げて行ってしまった。

それ以後、チカブーは二度と舞台には立たなかった。
そして月日は流れ、チカブーは老い落ちぶれて場末の酒場で酒を飲んでいた。
昔チカブーの舞台を見たことがあるという男がチカブーに言った。
「もう一度舞台に立つべきだ」
この言葉こそ、チカブーが一番言われたかった言葉だった。

藤城清治氏の影絵が、それはそれは美しいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2011年8月17日
読了日 : 2011年8月17日
本棚登録日 : 2011年8月17日

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