まずは著者である冲方丁さん。良い小説をありがとう。
良い小説を読むと、とても気持ちが良い。
そして言わせてくれ。
何故、主人公にいつも「正体不明の干魚」を買わせるのか(笑)
グッとくる時代小説。この感覚は久しぶりだ。
読んでいて何度も、視界が曇った。喜びも、悲しみも、ゆっくりと噛み締めながら読んだ。
志とは正にこのこと。脱帽である。
自らの集大成でさえも斬り捨て、新たな集大成へ進む技術者たちを描く。
絶望に沈み、支えられ、立ち上がる春海。
何度も情熱の灯は消える。しかし、思い掛けないことに、また火が灯る。春海の情熱は、信頼できる支援者を惹きつけ、信頼できる支援者は、幾度となく春海の背中を押した。
関孝和という人物の存在は、春海の中で何よりも大きかった。それが最後まで変わらなかったことが感慨深い。
道半ばにして、一生を終えた者。
最後まで、添い遂げた者。
情熱を抱き、事を成した彼らに敬意を表す。
また読もう。
読了。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2020年9月1日
- 読了日 : 2020年9月1日
- 本棚登録日 : 2020年7月14日
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