『三体』で有名な劉慈欣の第一長編。太陽系にある恒星が超新星爆発を起こしたことで、近い未来、地球には未知の放射線が降り注ぎ、人体細胞を破壊することが判明。自己修復が活発な12歳以下の子どもたちのみが生き残ることが可能な世界となり、残された数ヶ月間で大人たちは子ども達に文明を引き継ぐ……というのが導入。
『蝿の王』や『十五少年漂流記』など、「子ども達だけの世界」という設定の物語はあるが、現代の中国が舞台となり、しっかりと"引き継ぐ"過程が描かれる点が新しい。作者の知識量によりディテールは細かく、何となく説得力を持つように見えます。けど、その他は結構ガバガバ。たぶん、というか間違いないなく作者は後半の展開をこそ書きたかったんだろうなあ。ミリタリーや戦争が好きなのはこれまでの著作で知っていたので、気持ちは理解できるのですが、にしてもそうはならんやろって展開ばかりで作品の評価は低くならざるを得ないです。作者のファンならその後の著作につながる要素も多数あるので手に取ってみては。
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- 感想投稿日 : 2023年8月27日
- 読了日 : 2023年8月27日
- 本棚登録日 : 2023年8月27日
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