ストーリー展開のスピードが上がってきたとともに、ケイの、ヒステリックなまでの情緒不安定なところとか、最終的に周りの人を信じないところとかが、彼女の幼少期の体験に原因があるらしいことがわかってきた。
うん。うん。
そうこなくっちゃ。
理由もなくあの性格なら、ちょっとこの先ついて行けそうもなかったけれど、これで安心して読み続けられる…かもしれない。
今回の話は、前作で〈狼男〉に襲われたケイが、職場から、地域から、孤立していく様子が克明に描かれている。
「警察のものです」と言った〈狼男〉に対して、家のドアを開けてしまったケイのことを、世間の人々は非難する。
「なぜドアを開けた?」
いつの間にかケイこそが、〈狼男〉を殺害すべく呼び出したのではないかという憶測まで流れて。
仮にも被害者であるケイが社会的に糾弾されて、加害者であるはずの〈狼男〉の方が社会的に守られる。
それは無責任で扇情的なマスコミと、政治的というか、組織の論理のごり押しのせいなのだけど。
さすがにそれはやりすぎではないか?と少し前なら思っただろう。
だけど、最近の相撲界を見ているとねえ。
あるんだねえ、そういうことって。なんて納得してしまう。
下巻では当然審問中心になると思われるが、話がどう転ぶのか、とても楽しみ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年1月13日
- 読了日 : 2018年1月13日
- 本棚登録日 : 2018年1月13日
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