表題2作の他に「ウィリアム・ウィルソン」・「裏切る心臓」・「天邪鬼」・「マリ・ロジェエの迷宮事件」・「盗まれた心臓」を収録。
各篇ともジャンル小説の体裁ではあるが、怪奇小説なら主人公の恐怖体験だけでなくその前後の堕落と破滅の描写に、探偵小説なら事件のトリックよりも人が物事をどのように捉え考えがちなのかについての考察に重きを置いている印象だ。冗長な箇所があったり作品全体の完成度が低かったりはするが、人間心理の追究は見事だと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
岩波書店
- 感想投稿日 : 2023年10月3日
- 読了日 : 2023年10月3日
- 本棚登録日 : 2022年3月29日
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