急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫)

  • SBクリエイティブ (2007年6月23日発売)
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ティッピング・ポイントというアメリカでベストセラーになったマーケティング理論の本。

内容は邦題の通り。
ヒットやブームは偶然発生しているわけではなく、
お金をかければ必ず起こせるわけでもなく、
裏側にはきちんとメカニズムがある、というお話。

簡単に言うと、3つの法則がある。

(1)少数者の法則
感染の一番の原動力は口コミであるが、
口コミの伝染の背景には、特殊な資質を持つごく少数の人が必要。

媒介者(コネクター)…つながりの専門家。圧倒的に広い弱い絆を持ち、必要な人同士をつなげて人を助ける人。
通人(メイヴン)…情報の専門家。特定の情報に非常に敏感、かつその専門性によって人を助ける人。
セールスマン…説得の専門家。自分の感情を相手に感染させることのできるカリスマ性を持つ人。

(2)粘りの法則
人を引き付けるためには、メッセージやコンテンツそのものがある種の粘り(魅力)を持っていることが不可欠である。
それぞれのメッセージには正しい状況に置けば、誰もがうなずかざるをえないような、単純な情報の引き立て方がある。
往々にしてそれはちょっとした変化である。

(3)背景の法則
感染はそれが起こる時と場所の条件と状態に敏感に反応する。
背景の小さな変化が大きな違いを生むことになる。


実際に発生したヒットやブームを分析する理論としては、申し分のないものだと思う。

科学的であり、かつ、ティッピング・ポイント(急に売れ始めるタイミングがある)というのが
直感的にも理解しやすい。
社会心理学的な観点からもとてもおもしろく読める。

でもじゃあこの理論を元にヒットを作り出しましょう、
コネクター・メイヴン・セールスマンを探しましょう。
インフルエンサーですね。Twitterですね、Facebookですね。
とか短絡的にいくと途端に安っぽくなってしまうので要注意。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 【本】ビジネス・経営
感想投稿日 : 2013年7月1日
読了日 : 2013年7月1日
本棚登録日 : 2013年7月1日

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