短編集なので、時間がある時に少しずつ読み進めていた。
「化物屋敷」というそのものずばりの作品が気味悪くて記憶に残る。遺児にまつわる「幽香嬰女伝」や指示した与謝野夫妻にまつわる「永く相いおもふ」などの死んでしまった人達との交流端が好きだ。
三章の文豪たちの幻想と怪奇に含まれている話は作者と文豪達との交流が垣間見えて、ページをめくるのが愉しかった。泉鏡花の死後に見つかった原稿を巡る話などは、怪談というものから離れて面白いし、老境の佐藤春夫の老獪や人生観、若い泉鏡花研究者の考え方の差異が老若の対比で際だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
クラシック
- 感想投稿日 : 2017年9月10日
- 読了日 : 2017年9月10日
- 本棚登録日 : 2017年9月10日
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