初めてこれを読んだときから10年近く経ってしまって、内容もすっかり忘れてしまっていたけれど。最近なぜかずっと読みたいと思っていてやっと読めた。
こんなに痛くて辛くて愛しいお話だったんだ、と泣きに泣いた。
ここからは私の話も書かせてください。
これを初めて読んだ時はたぶん感動とかで泣いていたと思うけど、今ほど痛みは感じていなかっただろうなーと思った。
というのも、数年前(=初めてこの本を読んだ数年後)に私も相次いで大切な人を突然亡くして心を病んだので、今の自分が魚住の経験の一部をなぞっているようでとにかく辛かった。
だから魚住が久留米を怖いと避けたときも、直感的に彼の気持ちが分かる、と思った。
自分も暗闇の中にいる時、あの子が、あの人がいなくなったら、家族が死んだらどうしよう、次こそもうだめだとばかり思って毎日怯えて暮らしていたから。
正直途中で読むのを止めようかすごく悩んだ。今も精神的にあまり安定していないので、これをきっかけにどうにかなったらやばいなあと思ったけど、魚住にはちゃんと抱きしめてくれる人がそばにいて、生きている人の温かさを教えてくれたんだと感じられたから読んで本当に良かった。本当に。
もともとの性的指向はあっても、説明は上手くできなくても、魚住と久留米の間には愛だけがあって、これさえあれば人は生きていけると思える終わり方だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年9月13日
- 読了日 : 2023年9月13日
- 本棚登録日 : 2023年9月13日
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