女子高生を連続して狙う殺人犯である主人公、通称【ハサミ男】が自分の模倣犯を探すという類い稀に見る設定の叙述トリックミステリ。
私にとっては初著者作品。
表題名は有名かつ評価も高かったことから、読書デビュー後早々に入手、長きにわたって熟成させていた。
前読の中山七里作品読了をキッカケにミステリ欲が高まり、満を持して積読棚から手に取った。
本作品は基本【わたし】視点の一人称【警察】視点の三人称で進んでいく構成になっている。
読後感想から述べると、この作品は読みやすい。そしてとても面白い。兎角素晴らしい。叙述トリックを最大限に駆使した作品だと言えよう。
私の叙述トリック歴はまだまだ浅いのだが、今まで読んできた叙述トリックは、多少なりとも強引性を感じる印象が否めなかった。
しかしこの作品はフェアだ。
きちんと読み進めれば、犯人の正体に気づけるワードが予めしっかり点在している。
終わり方も含みを持たせミステリアスで善き。
私には珍しく読了後に即再読、一読では引っ掛からなかったセリフや情景などが、実は伏線であったりと見事に騙されていた自分に改めて気付かされた。完敗だった。
そして読後、改めて表題名と装丁を眺めた時に溜息がでた。読前から既に作者のトラップにかかっていたのだ。
今のところ私が読了した叙述トリック作品の中では、ダントツの名作となった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年9月30日
- 読了日 : 2021年9月30日
- 本棚登録日 : 2021年9月28日
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コメント 14件
nikuさんのコメント
2021/09/30
akodamさんのコメント
2021/09/30
hiromida2さんのコメント
2021/10/01
akodamさんのコメント
2021/10/01
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2021/10/01
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2021/10/01
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2021/10/01
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2021/10/01
1593189番目の読書家さんのコメント
2021/10/02
akodamさんのコメント
2021/10/02
Kaniさんのコメント
2022/01/03
akodamさんのコメント
2022/01/03
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2022/01/03
akodamさんのコメント
2022/01/03