ハサミ男 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 7175
レビュー : 1003
  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062735223

作品紹介・あらすじ

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 「ハサミ男」
    自殺願望と殺人願望を持つサイコキラーのお話。


    ハサミ男という奇妙なタイトルから、殺人鬼の話であろうと容易に推測できる本作。プロットは「一人称」から始まる章と「三人称」から始まる章の組み合わせになっています。


    「一人称」の“私”は、自殺願望と殺人願望を持つ通称ハサミ男であり、ターゲットをいざ殺そうとしたある日、何者かにターゲットを殺されてしまう。先を越されたハサミ男は、殺人者から一転第一発見者として警察と遭遇する。ハサミ男は、当惑する。誰が、私より先に殺人を実行したのか。どうやって私と同じ犯行を行ったのか。そして、何故私の犯行を模倣したのか。ハサミ男は、いつも世話になっている医師に諭され、行動を開始する。サイコキラーがキラーを追う日々が始まる。


    感想は、とても面白い。それに尽きます。叙述トリックと言えば、まずはコレ!と言われる理由がよく分かる小説で、伏線と仕組みが良いので、ころっと騙されることができる。叙述トリックの小説を結構読んでいる人だと薄々勘づくことが出来ると思いますが、勘付いたとしても面白さは落ちないですね。他の点については、触れるとどうしてもネタバレになってしまうので、是非読んで下さいとしか言えません。


    全体的に満足ですけど、最後の締めがもうちょっと固まっていれば尚良かったかなと思います。しかし、ハサミ男という狂気に満ちながらも死を所望している特質な性質を考えると、あの結末の方が後味が悪くて良かったかなとも思います。


    お勧めの一冊であるのは間違いないですね。

  •  ん~。おもしろかった。
    1/5くらいまでは すご~~くおもしろかった。
     犯人目線と 警察目線が交互にでてきて 映像がうかんできてよかった。
     ハサミ男が模倣ハサミ男に先を越されてしまったってすごい設定だとおもった。
     しかし、自殺のところはグロすぎる タバコ飲むって…
    自殺したいのか殺人したいのかわかなくって、多重人格のところもおもしろかった。
     途中のすごい展開で わからなくなって 最初の方を読み返した。だまされ続ける 読み手…
     でも、読み終えるとなんだか 消化不良だな。

  • ・あらすじ
    少女連続殺人犯「ハサミ男」が第三のターゲットの殺害目前に「偽ハサミ男」に標的を殺害されてしまい「ハサミ男」が「偽ハサミ男」の正体を突き止めることに…
    ・感想
    今作は殺人犯(今回の犯行に限っては犯人ではない)が探偵役というポジションで立ち振る舞うユニークな構造が面白い。探偵役パートでの一人称「わたし」という呼称は多いにミスリードに貢献していると思う。正直、出し抜かれてしまった。「わたし」に騙された。続きが気になるあまりイッキ読みしてしまったが、作りが丁寧で、ヒントが散りばめられていたにまんまと引っかかってしまった。再読前提でグイグイとページを進めて、また舞い戻りたい。

  • 脳天にハサミが突き刺さるほどの衝撃。二度目の読了ながら、忘れていたこの感覚。
    未読かつネタバレを食らっていない幸せものは、今すぐ読むことをオススメします。

    ぬけぬけと大掛かりなトリックをぶち込みながら、それすら踏み台にした、完全無欠のミスリード。本格ミステリ界の名作として名高い理由は、これに尽きる。

    紙をなだらかに切るように、スーッと状況説明が入ってくる文体。非常に明快で、腑に落ちるあの大円団は、じつは物凄いことをやってのけている。

    しかもハッピーエンド!?というはなれわざ。
    語り継がれる古典として、必ず後世に残るであろう。

  • 毎回死体の首にハサミを突き刺すハサミ男。次のターゲットを殺す為に近づくがそのターゲットは既に殺されていた。しかも首元にはハサミが突き刺さっている。いったい誰が殺したのだ!?
    500ページ程ありますが、半分の250ページまできても犯人の見当が全くつきません。そしてクライマックスは見事でした。オススメの一冊!!

  • ああこれは本当にやられた、まんまと騙された。
    思わずうわーっ…という声を上げてしまった。

    どこで?と思って見返すとちゃんとそのとおりになっている、これこそ文章の醍醐味なのかもしれない。
    きっと二回目読んだら印象も変わってくるのだと思う。

    文章のトリック部分の見事さに目が行きがちだが、わたしと医師の対話も面白かったし、なにしろ“わたし”の知能の高さに魅了された。(決して好かれる立場の人物ではないだろうに。前半で引っかかったトリックのままの外見でも十分魅力的だった。)

    これは好き、面白かったです!

  •  文庫版で再読。追悼の意を込めて。
     もともと作品自体が少ないひとだけどね、殊能は。とりあえず二番目に好きな「子どもの王様」と一番好きな「ハサミ男」を数年ぶりに読みました。
     なんだろうね、やっぱりこう、初読時の衝撃というのはないわけですけれども。そもそも再再読? くらいなわけですけれども。すげぇな、と思う。なんかね、一言で言い表すとすごく陳腐になるけれども、きれい、って思うね。ミステリ的トリック、物語的トリック、加えて狂気性。どれもがきれいに組み込まれて、きれいにまとまってる。そんで最後の一行で、きれいにぶっ壊れた、そんな印象。秩序ある狂気、秩序ある破壊が好きです。
     世間からシリアル・キラーと思われているハサミ男が、自分の犯行を模したであろう死体を発見してしまうところから始まる物語。本物が模倣犯を探そうとするという形式も面白い。間違いなく名作。
     抜粋。「医師」のセリフより。

    「ひどい本棚だな。漫画と実用書ばっかり。しかも、整理のしかたがめちゃくちゃだ。コンピュータ・マニアってのは、ペーパーメディアはどうでもいいと思ってるのかね。こういう本棚の持ち主は、惨殺されてもしかたがないな」

  • だまされた!まんまと。

    ミステリマニアとはいえない私だが、ちょくちょくミステリを読んでいる。そして、とんでもない作品がまだまだ眠っているものだと関心しきりだ。
    (知らないのはお前だけだと言われそうだが……)

    女子高生を狙った連続殺人犯と犯人を追う警察との攻防に手に汗握ってしまう。ハラハラさせられっぱなしだ。
    気づけば、殺人犯に肩入れしている自分がいる!

    メフィスト賞受賞作家というとどこかエキセントリックなにおいを放っているように思えるが、本作を著した殊能将之氏の文章はいたって普通だ。適度に硬質な文章で、読みやすい。

    500ページとそこそこの分量だが、ページターナーの本作ゆえ、あっという間に読み終えてしまった。
    そして、改めて読み直してみた。
    至る所に、伏線が張られ、精緻に物語が構築されていることがわかった。

    いやミスも程度を越えると笑えてしまう。

  • 色んなところで評価されていたので購読。
    トリックには全く気づかず驚かされた、面白かったがターゲットが重なった理由が無理やりすぎた。

  • 読もうと思った瞬間から、トリックに引っかかっていたみたい。
    実は殺人なんて起きてないかのように、淡々と進む世界が薄気味悪いと同時に心地良かったりも。

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プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

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