おいしい人間 (文春文庫 た 37-9)

著者 :
  • 文藝春秋 (2004年7月9日発売)
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本棚登録 : 178
感想 : 20
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「高峰秀子」のエッセイ集『おいしい人間』を読みました。

「高峰秀子」作品は今年6月に読んだ『にんげんのおへそ』以来ですね。

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素晴らしき仲間との交友エッセイ

「内田百けん【門+月】先生」からの一通の手紙、「イヴ・モンタン」との再会、「藤田嗣治」のアパルトマンでの日本食作り、「司馬遼太郎」との食膳に「有吉佐和子」からの長電話など、大切な人々とのくすりとする思い出。
そしてカレーを訪ねてインド・スリランカにすっ飛ぶ行動力に、特製「老人食」リハーサルメニューもあって、心にも胃にもおいしいエッセイ集。
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「高峰秀子」が、素敵な友人知人たちとの想い出をユーモアと情感溢れる素敵な筆致で描いたエッセイ集、、、

素直な心と優しい眼差しで描かれる人々の人生… その人生の一部分を一緒に愉しんでるような気持にさせてくれる作品です。

 ■私の丹下左膳
 ■パリのバラ、東京のバラ
 ■『小僧の神様』
 ■気になる本『浮雲』
 ■夏のつぎには秋が来て
 ■縫いぐるみのラドン
 ■レースのショール
 ■ふしぎの国のオギス
 ■ヘチャプリ大王
 ■ちょっと描いてみたくなっちゃった
 ■マリー・アントワネット
 ■薔薇
 ■翡翠
 ■甘茶でカップリ
 ■人間たらし
 ■「アンノー」という人
 ■おいしい人間
 ■タクシー・ドライバー
 ■しあわせな位牌
 ■お姑さん
 ■おかげ人生
 ■死んでたまるか
 ■喫煙マナー
 ■羽ふとん
 ■カメラの中の私

 ■自力回復―台湾薬膳旅行
 ■梅原龍三郎と、キャビア
 ■出口入口
 ■眼から芽が出た
 ■白日夢―北京宮廷料理
 ■文庫版のためのあとがき

素敵な知人友人との交友録的なエッセイ、旅行記的なエッセイ、料理や食事にスポットを当てたグルメリポート的なエッセイ等があるのですが… イチバン印象に残ったのは、カレーライスへの拘りや探求を描いた『眼から芽が出た』ですね、、、

私もカレーライスに限らず、カレー&ナンも含めて、カレーは大好き… 読んでいると、お腹が空いてきて、カレーが食べたくなりました。

明日はカレーを食べるかなぁ… と、そこまで本気に考えながら読んでしまいました。

描かれている内容には、海外旅行や高級な食事等、一般庶民の生活とはレベルの違いを感じさせるものもありますが、気取らない口調で思い出が綴られているので、親近感を感じることができる作品でしたね、、、

何気ない日常にキラリと光る部分を見つけだす観察眼が優れているうえに、柔らかでユーモア溢れている文章で生き生きと描かれていることが、その要因なんでしょうね… 疲れた頭をリフレッシュするのにぴったりです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: <読む>エッセイ/コラム/旅行記/私小説
感想投稿日 : 2022年11月19日
読了日 : 2017年10月17日
本棚登録日 : 2022年3月11日

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