今野敏『棲月 隠蔽捜査7』新潮文庫。
シリーズ第7弾。安定の面白さ。痛快、爽快。世の中は新型コロナウイルス感染拡大に青ざめているのに、そんな嫌な気分を全て吹き飛ばしてくれる本当に面白い作品だった。
相変わらず空気を読まずに至極真っ当な正論を振りかざし、大森警察署の署長業務に邁進する竜崎。竜崎のその仕事振りが瓢箪から駒を産み出し、ストーリーが展開していく様が非常に面白い。そして、懲罰人事でキャリアでありながら所轄の署長に甘んじていた竜崎にいよいよ新たな異動の噂が……
ある朝、署に到着して日課の判子押しをしていると都内の私鉄がシステムトラブルで運行を停止していることに気付く。サイバーテロの可能性を考慮し、警察組織の管轄など全く無視し、署員に調査を命ずる。その後、銀行でもシステムトラブルが発生すると、そちらにも署員を向かわせる。案の定と言うか、瓢箪から駒でどちらもシステムへの外部からの浸入形跡があり、サイバー攻撃と断定される。翌日の早朝に管内で18歳の少年の他殺死体が発見され、竜崎は現場に臨場する。二つの難事件と竜崎の異動の行方は……
本体価格710円
★★★★★
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2020年7月30日
- 読了日 : 2020年7月30日
- 本棚登録日 : 2020年7月29日
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