トッカン the3rd おばけなんてないさ (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房 (2014年3月7日発売)
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本棚登録 : 585
感想 : 49
4

おふざけのようなタイトルながら、ミステリー展開にぐいぐい引き込まれた。シリーズを追ってきて3作目が一番まとまりよく引き締まった内容だったと思う。

徴収官のおしごとはポーカーフェイスで孤独に耐える闘い。
強制権で悪質滞納者の口座照会も家宅差し押さえもできる。引き換えに、知り得た個人情報は同僚でも警察にも漏らすことはできない。頼れる人がいない中で、情報を引き出す交渉力もためされる。
人狼ゲームで人狼を引いたら即笑ってしまう私には、全く務まらない職種だ。

コミックのように吹っ飛んだキャラ設定も、いつの間にか心地いい。ぐー子というひどいあだ名の主人公はしっかり経験を積んで、デスクに山積みの案件を並行して片付けていく。うーん爽快。
彼らの鑑定眼もすごい。
自宅に押し入った瞬間から、金目のものをサーチする能力。店の客単価から収益をはじきだす算盤も一級を求められる。メルカリでぽちぽち検索している私では務まりそうにない。(そればっかり)

やっぱり専門性の高いおしごと系エンタメは面白い。
最後にやや泣けるのも良かった。
次の巻でおわってしまうのが寂しいくらい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月3日
読了日 : 2023年11月3日
本棚登録日 : 2023年10月31日

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