今にも風切り音が聞こえてきそうなくらい躍動感のあるドラマ。駅伝そのものの魅力に加え、スポーツの枠を超えた人生の示唆に通じる豊かさを感じた。次の箱根駅伝が何倍も楽しめそう。
── 膝は敵であり、同時に頼りにしなければならない大事な味方だ。このまま俺の言うことを聞いてくれるのか。それとも裏切るのか─
ケガの失敗という過去に怯える主人公が、体の声を聞きながらアンカーを走るシーン。もうハラハラする。こうして自分と向き合いながら、ゆっくり俯瞰し、内観すること。ヨガやマインドフルネスでも学ぶことはできる。ただしこれはレースだ。それもたった1時間の。両肩には仲間の信頼が乗っている。このジレンマに無性に掻きむしりたい気持ちになった。
元々運動音痴だった私は、これだからチーム戦がイヤだったのだ。それなのになぜかページをめくる手が止められない。次へ次へと背中を押される。
駅伝はチーム競技か、はたまた個人競技なのか。
そんな問いに意味はないけど、考え出すと結構ハマる。きっとチームでありたいというのは、願いと言ってもいいのかも。人生80年のレースも、きっと同じなんだなーなんて思う。
何が同じって?それは妻にわかってほし─後略
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- 感想投稿日 : 2023年11月29日
- 読了日 : 2023年11月29日
- 本棚登録日 : 2023年11月22日
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