サイバーミステリ宣言!

  • KADOKAWA/角川書店 (2015年7月1日発売)
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感想 : 6

サイバーミステリとはインターネット上で起こった事件を解決するミステリのことを指していた。

ミステリの分類「本格ミステリ(探偵が謎を論理的に解明する様=推理を中心描く)
」、「ハードボイルド(探偵が解決に向けて動く様、ひいては生き様を中心に描く)
、「サスペンス(事件に巻き込まれた視点主人公の恐怖や不安を中心に描く)」、「警察小説(警察の操作を中心に描く)」が分かりやすかった。

サイバーミステリとミステリの決定的な違いは、1.物的証拠そのものの正誤を確定させることがいままでのミステリ以上に困難であること。2.探偵は真相を自分の意思で書き換えることが可能であること。3.「操り」テーマがミステリ以上に起こりやすいこと。の計3つだった。

ブロードバンドの普及により、巨大掲示板やまとめサイトで誰でも推理し、手軽に探偵になることできるようになったことの呼称“探偵の氾濫”が好きだ。

インターネット上から追放されることの意“電網殺人(特定の人に紐づいたすべてのアカウントが利用できなくなる)”に面白みを感じた。

ソーシャルネットワークの本質を「自分の個人情報を露出し、他人を巻き込んでいくこと」と見做し「個人情報の自爆テロ。その規模が大きければ大きいほど賞賛させる」とした一田和樹さんの考え方が興味深かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2022年5月20日
読了日 : 2022年5月20日
本棚登録日 : 2022年5月20日

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