傲慢と善良

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2019年3月5日発売)
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本棚登録 : 8617
感想 : 957
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自分と他人を比較してしまうことはもはや人間としての性だと思うが、そのときに自己愛が邪魔をしてどうしても他人を見下してしまう。見下せる部分を探してしまう。最終的には自分自身を都合よく解釈して大きく強くしてしまう。

そんな誰もが一度は経験のあることがとてもリアルに詳細に文章化されていて、読んでいると目を背けたくなるような瞬間がある。

エンタメとして読むにはヘビーかもしれませんが、他人との付き合い方を省みることができるとても素敵な本だと思います。

少し残念だったのは最後の終わり方。
変にあっさりしているというか打ち切りを告げられた漫画のように急転直下で話が完結してしまう。
実際に波瀾万丈はそんなに起きないという点においてはこれもとてもリアルな終わり方ではあったけれど、もう少しフィクション的盛り上がりがあってもよかったなと個人的には思いました。

あとこれは必要ないと思いながらも気持ちを残しておきたいという意味で書きますが、私は真実みたいな人は嫌いですね。
傲慢の権化みたいな存在で小説の中では味を出してますが現実社会にいたら相当鬱陶しい。

だからこそ最後に不満が残るのかもしれません。。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月25日
読了日 : 2022年10月25日
本棚登録日 : 2022年10月21日

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