凍りのくじら (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2008年11月14日発売)
4.04
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本棚登録 : 26321
感想 : 2284
4

少し不思議な話でした。
序盤は、りほこの考え方に共感するところから始まりました。
りほこの人を馬鹿にする感じやどこか諦めの匂いがする感じが、恥ずかしながらも自分にそっくりで、これは、、自分のことか、、?と錯覚するほどでした。
しかし、中盤からは、そんなりほこに苛立ちを覚えるようになりました。
見下している人に対して依存していたり、母親に向き合わなかったり、ご都合主義のわがまま体質だったことが示されていき、りほこへの印象が180度変わります。
そして後半で、他登場人物との交流の中で変わっていくりほこが描かれていきます。

読み終わっての感想は、人には人の理念があり、その理念に優劣は付けられないということです。
その理念の違いよる行動の違いを、理解できないと見下したり、突き放したりするのは、視野の狭い、愚かな行為だと思いました。
自分のことを勘違いせず、第三者的にすごくフラットに、考えられるようにしようという教訓を得ました。

あと最後に、、この本の終わり方は本当に好みじゃなかったです。。。
よくあるこの手の終わり方をアレルギー的に嫌っているだけなのですが、星4とさせていただきました。

途中まで今年イチのレベルで好きな雰囲気だったので個人的にはとても残念でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年5月28日
読了日 : 2023年5月28日
本棚登録日 : 2023年5月27日

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