凍りのくじら (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2008年11月14日発売)
4.04
  • (2526)
  • (2699)
  • (1539)
  • (266)
  • (54)
本棚登録 : 26321
感想 : 2284
5

うわぁ。辻村深月さん、
SS(すこし・好きかもしれない)から
SD(すごく・大好き)!

まさにSF(すこし・ふしぎ)な物語。
ドラえもんのエピソードがいたるところに出てくるので、ドラえもん読みたい!ってなります。
母、父エピソードがとても良い。母の写真集のところは反則です。理帆子に感情移入しまくりでボロボロ泣きました。あぁデトックスさせてくれてありがとう。
若尾みたいな男『鍵のない夢をみる』にも出てきたなぁ。また愚鈍な先生が出てきたところも『噛み合わない会話と、ある過去について』がよぎった。

『かがみの孤城』で泣き、『噛みわない会話と、ある過去について』『善良と傲慢』『鍵のない夢をみる』でこの方の文章好きだなーと感じていましたが、今回の『凍りのくじら』は私のまた読みたい大好きな本の一冊になりそうです。



「彼が私に本やアニメの魅力を説く時は、いつだって真剣だ。自分の話すことが娘に記憶されることの覚悟がある。自分の声が今後の娘の祝福になり、また呪いになることを充分に理解している。」

「いつも持病のせいとか、親のせいとか、自分の力ではない他のせいにしてきた。だけど、悪いのは自分だと認めなくちゃ。全部を自分の責任だと認めて、その上で自分に実力がないんだと、そう思って諦めなくちゃならない。精一杯、本当にギリギリのところまでやった人にしか、諦めることなんてできない。挫折って、だから本当はすごく難しい」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月10日
読了日 : 2022年5月10日
本棚登録日 : 2022年4月27日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする